宮田笙子 17歳女子高生が世界選手権切符 「尊敬される選手でいたい」と頼もしく宣言

 「体操・NHK杯」(14日、東京体育館)

 世界選手権(10月開幕、英リバプール)の選考を兼ねて女子が行われ、4月の全日本選手権2位の宮田笙子(17)=鯖江スクール=が初優勝した。高校生が頂点に立つのは7年ぶり。全日本女王の笠原有紗(17)=レジックスポーツ=が2位、山田千遥(19)=朝日生命ク=が3位となり、3人は初の世界選手権代表に決まった。今大会は全日本の得点を持ち点に4種目を演技。宮田は笠原を全日本との合計160・029点で逆転。残り2枠の代表は全日本種目別選手権(6月、東京)の結果も踏まえて決定する。

 全員の演技が終わると、ホッとした表情で涙ぐんだ。宮田は0・733点差を追う2位でスタート。4月の全日本選手権の予選と決勝で落下した段違い平行棒をミスなくまとめると、平均台で首位の笠原を逆転。最後は得意の床運動を力強く決めきった。「優勝よりも4種目決められたのがとても大きい」と晴れやかに喜んだ。

 全日本選手権後は、落下した段違い平行棒、平均台を重点的に練習した。NHK杯まで3週間しかなかったが、「短いと思うんじゃなく、これだけあるから頑張ろう」と前を向いた。鯖江高体操部の田野辺満監督(52)も「悔しかったと思う。練習は裏切らないと今回分かってくれれば」とうなずいた。

 21年夏の東京五輪以降、長年日本代表をけん引した村上茉愛さんをはじめ、トップ選手が次々と引退。世代交代が一気に進む中、17歳の宮田が新たに頂点に立った。「尊敬される選手でいたいし、引っ張っていけるようにしたい」。新女王は、頼もしく宣言した。

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