高木菜那が現役引退、悩み抜いた決断 理由は「美帆の姉ではなく菜那として戦えた」

 引退会見を行う高木菜那(撮影・高石航平)
 涙ながらにコーチとのエピソードについて話す高木菜那(撮影・高石航平)
 笑顔で引退会見を行う高木菜那(撮影・高石航平)
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 スピードスケート女子の高木菜那(29)=日本電産サンキョー=が5日、都内で会見し、現役引退を報告した。「私、高木菜那は現役を終えることを決意しました」と話した。

 集大成と位置づけて臨んだ、北京五輪シーズンの今季。3月のW杯最終戦(オランダ)を終えて以降「ケガをしているわけではないので。未練がないわけではありません。現役を続行しようか、どうしようか、すごく悩み、考えました」という。その中、引退の決断について菜那は「高木美帆の姉ではなく、やっと自分の意志で高木菜那として氷の上に立ち、戦えたことが引退を決意した1つの理由」と振り返った。

 「1番、妹とのことで、自分の中で葛藤があったのは高校時代」と菜那。10年バンクーバー五輪代表になり、天才中学生と呼ばれた妹・美帆を見つめ、心はボロボロだった。社会人になり、日本電産サンキョーに入社後は「もっと速い人はたくさんいる」と気付き、視線が妹から世界へと向いた。

 金メダル2つを獲得した平昌五輪後は「色んな人が『高木菜那』としてみてくださることが多かったけど、高木美帆の姉ではなく高木菜那という一人の選手と、自分自身が受け入れることが今までできていなかった」と菜那。「どんな時でも、妹が速いから、自分自身で妥協してしまうじゃないですけど、そこに逃げ道を作っていた」という。

 今季へ臨むにあたり「そこを1番気にしているのは自分なんだ」と気付いた。「妹と比較してこれは遅いんだって、ずっと自分を否定し続けてきたなって。そろそろ自分を褒めてあげたいと思った」「今年、何のためにスケートをしているのか、どうして速くなりたいのか考えた時、高木菜那として氷の上に立ちたいという気持ちが芽生えた」と話した。

 「それができたことが、今年は本当に良かった」。涙を見せる瞬間もあったが、晴れやかな笑顔で話した。

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