瀬戸大也“勝負勘”が的中 レース中プラン変更で世界切符「出るかどうか悩んでた」

 「競泳・国際大会日本代表選手選考会」(2日、東京辰巳国際水泳場)

 男子400メートル個人メドレー決勝が行われ、13、15、19年世界選手権金メダルの瀬戸大也(27)=TEAM DAIYA=が、4分10秒82で2位に入った。東京五輪男子200メートルバラフライ銀メダルの本多灯(20)=アリーナつきみ野SC=が4分10秒75で初優勝。ともに世界選手権(6月、ブダペスト)の派遣標準記録(4分14秒20)を突破した上で上位2位に入り、代表権を獲得した。

 若手の成長が著しいこの種目で、第一人者が“勝負勘”をさく裂させた。瀬戸はスタート直後、「水の感覚や筋肉の感じが前半から積極的にいける感じじゃなかった。プランを変えてラスト勝負」と水中で作戦を変更。出力を抑え、得意のバラフライを終えた時点では4番手にとどまった。

 最後の自由形に入った時点でもまだ3番手。前半から飛び出した本多、後半伸びてきた田渕海斗(19)=NECGSG溝の口=と三つどもえのデットヒートとなったが、残しておいた底力でラストスパート。優勝には届かなかったものの、2番手で世界切符を手にし「今出せる自分の実力は出せた。まずは代表権を勝ち取ることができてホッとしています」と胸をなで下ろした。

 コンディションは万全とは言いがたかった。1月の合宿中に新型コロナウイルスに感染。療養後も隔離生活を強いられ、泳ぎ込むことができず、「おとといの午前まで、正直、この選考会に出るかどうか悩んでいた」と欠場も考えていたことを明かした。

 24年パリ五輪に向けて、中間年の今年はもともと、地力を取り戻すための準備期間に位置づけていたという。「あまり結果にこだわらず、パリで結果を出すためにコツコツ鍛錬する年にしたい」。今回は意地を見せたが、若手の台頭も激しい。「すごく若手も成長していて、(ライバルだった萩野)公介もいなくなって寂しいところがあるが、しっかり1年かけて(強化し)、もう一度『この人には勝てないな』という先輩になりたい」。27歳の元世界王者が、完全復活を誓った。

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