「ソフトボール・日本リーグ女子決勝トーナメント、ビックカメラ高崎３－０トヨタ自動車」（７日、福島県営あづま球場）

　決勝でビックカメラ高崎（リーグ戦１位）がトヨタ自動車（同２位）を３－０で下し、前身から含めて１４度目のリーグ制覇と初の３連覇を達成した。五輪代表エースの上野由岐子（３９）は五回に先発の浜村ゆかり（２６）から継投。３回１安打無失点で勝利投手となり、東京五輪を挟んで前後半戦を戦った今季の有終を飾った。ホンダが３位だった。

　最後はすべて直球で３球三振。自身１０度目の頂点に、ガッツポーズも慣れたものだ。「（前身の）ルネサス（高崎）から３連覇が一つの壁だった。大きな山を越えられた安どがある」。東京五輪７人を擁し、勝って当たり前と見られた重圧も見事にはねのけた。

　開幕直後に右脇腹を痛め、五輪直前に復帰。金メダル獲得後のリーグ後半はリリーフとして浜村らを援護した。「濃い１年だった。いろいろありすぎて疲れました」と苦笑いしながら「浜村や日本代表の後藤など、世代交代できる兆しが出てきてかなりうれしい」というのも本音だろう。

　来季は新リーグ「ＪＤリーグ」が発足する。この日は約４千人の観客がスタンドを埋めたが「北京五輪の後の閑散とした時期を知っているだけに、不安はぬぐえない」と言う。２８年ロサンゼルスでの五輪競技の復活を目指し「魅力をしっかり伝えていけるように。２、３年後が自分たちにとって大きな転機になる」と上野。レジェンドが使命を終えることはない。