白鵬 条件付き「間垣」襲名へ 現役時に問題行動、指導者としての資質に“物言い”

 史上最多45回優勝を果たし引退する大相撲の横綱白鵬(36)=宮城野=の年寄襲名に厳しい条件付きが検討されることが29日、分かった。同日、日本相撲協会に引退届が提出され、年寄資格審査委員会が開かれた。同委員会はこれまでの土俵内外での言動を問題視。部屋持ちの師匠となることを10年間、禁止するなどの仰天意見が出た。同委員会の報告を基に30日の理事会で協議されるが、年寄「間垣」承認へは、まだ“物言い”が付きそうだ。

 お騒がせ横綱白鵬に協会は頭を抱えてきた。年寄襲名を「すんなりとは認めない」と同委員会では一致。誓約書を書かせ、破った場合はペナルティーを与えるなどの意見が出た。

 さらに2022年8月21日に師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)が定年。白鵬が部屋を受け継ぐことは既定路線ながら1年間の言動を監視し、問題があれば継承を許可しないなどの案もあった。「10年間、部屋を持たせない」と厳しい声も上がった。

 白鵬は東京・日本橋に自らの部屋を創設する計画を持つ。部屋持ちの師匠になる目標が“塩漬け”されれば、大きな痛手となる。

 現役時の言動がこの事態を招いた。優勝インタビューで観客と万歳三唱、三本締め、元横綱日馬富士の暴行事件に同席と3回懲戒処分を受けた。それ以外でも判定に不満を示し審判批判、自ら物言いなど問題行動の数々。

 5月、「間垣」株取得の際、同委員会で反対意見が出た。その後、師弟が協会に謝罪したことで取得を認めた経緯がある。

 だが7月の名古屋場所の千秋楽で復活優勝の際、ガッツポーズに雄たけび。さらに8月の東京五輪では無観客の柔道会場を訪れ、関係者と記念撮影した。

 何度、注意されても振る舞いを改めず、指導者としての資質を疑問視。横綱でも親方となれば先輩親方を見習って業務に就く。「下に付くことができるのか?」と関係者は心配した。

 同委員会からの報告を参考に、30日の理事会で“条件”が協議される。年寄襲名は承認する見通しながら、新・間垣親方には、いばらの道が待つ。

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