明生 照ノ富士を撃破 真っ向勝負で馬力勝ち!休まず攻めきった「無我夢中」

 「大相撲秋場所・12日目」(23日、両国国技館)

 新関脇明生が新横綱照ノ富士(29)を攻め抜いて、最後は鮮やかな下手投げで初撃破した。対横綱は4戦目で初めて勝利。次代の大関候補が大きな5勝目(7敗)をつかみ、終盤、混戦のV争いを演出した。照ノ富士は2敗目(10勝)で単独トップは変わらず。1差3敗で平幕阿武咲、隠岐の海、妙義龍、遠藤が追う。大関貴景勝が6連勝でかど番脱出。4敗で逆転V圏内にも残った。

 明生が結びで大仕事をやってのけた。唯一2敗だった妙義龍が負け、13日目にもVへ一直線だった新横綱に待った。終盤3日、トップから2差まで9人がひしめく、秋のだんごレースを呼び込んだ。

 立ち合い、真っ向勝負で馬力勝ち。右を深く差し込み横に食いつきグイグイ起こした。小手に振られても巧みな外掛けでしのぐ。最後は下手でぶん回し、巨漢を土俵下に投げ飛ばした。大波乱に会場は拍手喝采だった。

 「横綱を少しでも慌てさせる気持ちだった。無我夢中でした」と興奮。ともに2011年初土俵を踏んだ。ほぼ同期生で合宿などでも競い合った。序ノ口から先場所まで対戦は6戦全敗だったが初めて勝利。「同期生という前に相手は横綱。強い横綱に勝てて、すごくいい一番だった」と格別な1勝になった。

 先場所後、部屋が茨城県つくばみらい市から東京都江東区に移転。かつては1時間以上もかかった移動時間は大幅に短縮。体調面にへのプラスは多い。

 7月、世界自然遺産に登録された奄美大島の星。「全部がいいところ」と自然いっぱいの南国で育った。初夏には地元名産パッションフルーツが差し入れされた。故郷の味をパワーに新関脇に昇進。各小学校に土俵が備わるほど、相撲熱の高い島は明生の活躍&世界遺産に大盛り上がりだ。

 挑戦4回目で初めて横綱に勝った。中卒たたき上げで次代の大関候補が着実に成長。「またあした集中。自分の相撲をやりたい」。大殊勲の26歳は勝ち越しへ気持ちを入れ直した。

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