上地結衣 車いすテニス女子初の決勝へ 過去2度敗戦の相手を圧倒「三度目の正直」

 「東京パラリンピック・車いすテニス女子シングルス・準決勝」(2日、有明テニスの森)

 車いすテニスのシングルス準決勝で女子の上地結衣(27)=三井住友銀行=と男子の国枝慎吾(37)=ユニクロ=がともに勝ち、銀メダル以上を確定させた。前回3位の上地は日本女子初、国枝は優勝した2012年ロンドン大会以来の決勝に進んだ。

 新時代の扉を開いた。日本女子初の決勝進出を果たした上地は、右手で深くガッツポーズし、勝利をかみ締めた。「今回やっと三度目の正直というか。勝つことができてすごく純粋にうれしい」。過去2大会のパラリンピックで敗れたファンクートに完勝し、笑みがこぼれた。

 圧巻の試合運びで銀メダル以上を確定させた。第1セットは相手に流れを渡さず、6-2で奪取。第2セットは互いにブレークする展開も、動じずに6-2と圧倒した。

 雪辱を果たす試合でもあった。ファンクートは、12年ロンドン大会、16年リオ大会で敗れた“因縁の相手”。「意識せざるを得ない存在」だっただけに、「アニークに勝って決勝に進むことは、初めてロンドン大会に出場した時には考えることができなかった世界」。5年間の努力が、自身を決勝へ導いた。

 歴史的勝利を上げた一方で、「100%ができなかった」と納得はしていない。この日の自己評価は「勝ったっていう結果を踏まえて60%、内容としては40%ぐらい」と厳しく、「気持ちは常に決勝戦をどう勝つか」と頂点だけを見据えている。リオ大会では銅だった。日本女子初の金メダルは、自国の夢舞台で獲得する。

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