照ノ富士 史上初!3度目伝達式で堂々口上「不動心」「横綱の品格向上」

 伝達式後、肩車で祝福される新横綱照ノ富士(上)=代表撮影
 口上を述べる新横綱照ノ富士(右中央)。右奥は伊勢ケ浜親方、右手前は淳子夫人。左から浅香山審判委員、高島理事(代表撮影)
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 日本相撲協会は21日、都内で臨時理事会と秋場所(9月12日初日)の番付編成会議を開き、大関照ノ富士(29)=伊勢ケ浜=の横綱昇進を満場一致で決定した。2017年初場所後の稀勢の里以来、第73代横綱が誕生。モンゴル出身では5人目。令和初、平成生まれで初の横綱となる。史上初3回目の昇進伝達式では口上に「不動心」とともに「品格」の文言を入れ、横綱としての生き方を示した。横綱土俵入りの型は師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)と同じ不知火(しらぬい)型を選択した。

 屈辱に耐え、辛抱、努力を重ね、照ノ富士がついに第73代横綱にたどり着いた。使者の高島理事(元関脇高望山)から満場一致での昇進を伝えられ、いざ口上に決意を込めた。

 「謹んでお受けいたします。不動心を心がけ、横綱の品格、力量の向上に努めます」

 新大関、再大関時と2度行い、今回が史上初の3度目となる伝達式。よどみなく堂々と言い切った。会見では「ホッとしました。満点です」と安どした。

 両膝のけがに内臓疾患も重なり大関から序二段まで降下。地獄から復活した。「不動心」の言葉は照ノ富士の神髄。「何ごとにもぶれない精神を持って、これからも頑張っていきたい思い」と横綱でも不屈の魂を貫く。

 「品格の向上」の言葉は今後の生き方。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)と相談し決めた。「横綱は協会の看板を背負って立てる地位。どういう生き方をすべきか考えて入れた。今まで通りではダメ」と力士の見本となる思いを込めた。

 モンゴル出身横綱は5人目。朝青龍、日馬富士は暴力問題で角界を去った。白鵬は名古屋場所で復活優勝したもののガッツポーズなど土俵上の振る舞いに猛批判。横綱審議委員会委員から「マナーはまねしないでね」と新横綱に対し“ノーモア白鵬”を要望された。

 角界も世間も責任ある言動を求めている。照ノ富士は「横綱という地位はどういう地位か、親方に教わって、精進していきたい。生き方で証明したい」と力強く所信表明した。

 平成生まれで初の大関に続き、初の横綱。令和でも初となる。「頑張ってきて良かった」とかみしめた。平成初の横綱である師匠は「ここまで来たんだな」と、感無量だった。

 横綱土俵入りの型は師弟で同じ不知火型。元横綱日馬富士と同じく自身が指導する。「2人目の横綱。これ以上何も言うことはない」と、師匠冥利(みょうり)に尽きる。

 晴れの舞台には2月に挙式した最愛のドルジハンド夫人も駆け付けた。おなかがふっくらし周囲から「おめでとう」と祝福。関係者は「(出産は)もう少しじゃないかな」と話し、パパとして新横綱を迎えることもありそうだ。

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