貴源治が大麻使用 名古屋場所中に宿舎近く歩きながら吸引、懲戒解雇の可能性大

 日本相撲協会は20日、十両貴源治(24、常盤山)=本名・上山賢=が大麻を使用していたと発表した。19日に都内で薬物検査(尿検査)を実施し、陽性の判定。聞き取り調査で本人が名古屋場所(18日千秋楽)中、宿舎近くの道路で大麻たばこ1本を吸ったと認めた。現在、警視庁が捜査中で本人は聴取後、都内の部屋で謹慎。2008年、ロシア出身の関取が大麻使用で逮捕、解雇されている。薬物の悪夢が再び角界を襲う。

 角界に衝撃だ。名古屋場所中、関取の貴源治が大麻を吸引していた。発覚の発端は17日、協会への情報提供だった。その後、常盤山部屋の協会員を聞き取りし、「うわさ話」として疑いが浮上した。

 18日の千秋楽取組後、貴源治と師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)を呼びコンプライアンス部長の尾車親方(元大関琴風)が面談。本人は「大麻成分が含まれているCBDオイルという痛み止めを使用」「あがり症を抑えるためのグミにも大麻成分が入っている」などと説明した。

 19日に都内で薬物検査(尿検査)を行い陽性と判定。聞き取りを行い本人が同場所中、宿舎近くの道路で歩きながら大麻たばこ1本を吸ったと認めた。

 協会は警察に通報。警視庁において捜査が開始され、現在は捜査中という。本人は警視庁で事情聴取後、部屋で謹慎している。

 今後、協会は貴源治に対する処分を検討する。過去、大麻使用では解雇処分が下されており、最も重い懲戒解雇となる可能性は高い。

 貴源治は栃木県小山市出身。中学生時代はバスケット選手。兄で元十両の貴ノ富士とともに茨城県選抜の主力として全国3位となった。NBAウィザーズの八村塁とは同学年で対戦経験もある。中学卒業後、兄とともに旧貴乃花部屋に入門し2013年春場所で初土俵。19年名古屋場所で新入幕を果たした。

 兄弟で将来を有望視されたが19年9月、弟弟子のあいさつの仕方を巡り、「理不尽な指導、悪質な言動」があったとして、けん責処分を受けた。同10月には双子の兄、元十両貴ノ富士が弟弟子への暴行事件で引退した。

 角界と大麻といえば2008年8月、ロシア出身の幕内若ノ鵬が逮捕され解雇。その後、協会の検査で同じくロシア出身の幕内露鵬、十両白露山が大麻に陽性反応を示し、解雇された。師匠の北の湖理事長(元横綱)は理事長を引責辞任した。さらに翌年1月にも十両若麒麟が大麻所持の疑いで逮捕され、日本人力士まで広がった。

 協会は警察の捜査に全面協力。今後、協会員に対する薬物調査に関し、芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「今そういう段階ではありません」と話すにとどめた。貴源治1人の愚行で収まらなければ、薬物汚染の恐怖が再来する。

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