泉谷駿介 衝撃日本新V!21歳若武者が代表内定、一躍メダル候補に名乗り

 「陸上・日本選手権」(27日、ヤンマースタジアム長居)

 男子110メートル障害決勝が行われ、泉谷駿介(21)=順大=が13秒06(追い風1・2メートル)の日本新記録で初優勝し、東京五輪代表に内定した。従来の記録を0秒10も大幅更新したタイムは今季世界ランク3位。16年リオデジャネイロ五輪銀メダル相当、19年ドーハ世界選手権では金メダル相当の記録で、一躍メダル候補に名乗りを上げた。すでに参加標準記録を突破していた前日本記録保持者の金井大旺(25)=ミズノ=が2位、高山峻野(26)=ゼンリン=が3位でともに内定した。

 10台のハードルを疾風のように跳び越えていった。近年躍進著しい日本男子“トッパー(110メートル障害の略称)”陣。東京五輪を懸けた大一番で、21歳の泉谷が衝撃のタイムをたたきだした。

 「ビックリした。ヤッター、ウォーって感じで。競技人生の中で13秒1台を出せればいいと思っていた。それを超えてゼロ台。このタイムはイメージできていなかった」。

 1本目のスタートで、前日の準決勝で参加標準記録を突破していた同じ順大の村竹ラシッドともう1人がフライングにより失格。両隣のレーンが空くことになり「ちょっと焦った」。それでも腹をくくって2本目のスタートを飛び出すと、「いつもよりハードルにぶつからなかった」と会心のハードリングで中盤一気に抜け出した。

 体が覚えていた。1カ月前の関東インカレで追い風5・2メートルの参考記録ながら13秒05をマーク。「あの時は風に押されたけど、今回は自分の力で走った感覚。ただ、うまくつながった感じがします。インターバルの刻み方もハードリングも」。

 もともと高校時代は8種競技で全国制覇。走り幅跳びでは8メートル、三段跳びでも16メートルを跳ぶ、圧倒的な運動センスの持ち主だ。19年世界選手権では代表に選ばれながらも、右太もも裏の肉離れで欠場。その悔しさから「五輪で結果を残したいという思いで、冬季練習は歯を食いしばってやってきた」。一度得た超高速感覚を再現できるだけの肉体ができあがっていた。

 19年世界選手権なら金メダル相当の記録。26日の全米選手権で、その世界王者のホロウェー(米国)が世界歴代2位となる12秒81をマークしており壁は高いが、十分にメダル候補と名乗っていい立場となった。「今回の優勝は自信になった。ホロウェーは異次元ですけど、ついていけるようにしたい」。日本男子初の決勝進出どころか表彰台まで、これまで立ちはだかってきた“ハードル”を超えるだけの勢いが、今の泉谷にはある。

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