スポーツクライミング・野中 日本新&初3位!“不得意”「スピード」でWの歓喜

 「スポーツクライミング・W杯スピード第1戦」(28日、ソルトレークシティー)

 女子で東京五輪代表の野中生萌(24)=XFLAG=が同種目で日本勢初の表彰台となる3位に入った。予選タイム上位16人が1対1の決勝トーナメントに進み、準々決勝で8秒20の日本新記録をマーク。ポーランド選手と対戦した3位決定戦で先着した。

 笑顔で、拳で、体全体で、野中は喜びを爆発させた。女子日本新記録と日本勢初の表彰台を一気に達成し「ここまでの結果は全く期待していなかったので、うれしい気持ちでいっぱい」と率直な思いを口にした。

 W杯のスピードで決勝トーナメントに進んだのは2019年7月以来2度目。「せっかくこんな機会を得たなら楽しんだ者勝ち」と躍動した。互いに一歩も譲らなかった1回戦をタッチの差でものにし、勢いに乗る。好スタートで相手に重圧をかけ、ミスを誘って勝ち上がった。

 中でも準々決勝は従来の日本記録を0秒12更新した。練習では、より速い記録も出ているそうで「大会でタイムを出す難しさを毎回感じていた。やっといろんな大会で吸収したものをちょっと形にできたかな」とうなずいた。

 東京五輪はボルダリング、リードを含めた3種目の複合で争われる。日本勢が得意としてこなかったスピードで好結果を残し「五輪での3種目に生きてくると思う。自信になった」と充実感に浸った。

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