宇良、足取りで初日白星「自分の攻めの流れで取れた」幕内返り咲きへ好発進
「大相撲夏場所・初日」(9日、両国国技館)
西十両2枚目に番付を上げた人気業師の宇良(28)=木瀬=が東龍(玉ノ井)を足取りで下し白星発進した。持ち味の低い立ち合いで相手の右足を取って一気に出て仕留めた。
「自分の攻めの流れで取れた。雑だったところもあったけど考えている時間もないので(出た)。勝つことができて良かった」と、振り返った。
先場所は左足を負傷したが2日休場しただけで再出場し10勝。今場所、「全然、大丈夫です」と左足に不安はない。部屋には関取が7人もおり、場所前も豊富な稽古量を積んできた。
3日目まで無観客開催。いつもはひときわ大きい拍手を受ける人気者も「何とも言えない」と苦笑い。「見てくださっている方はたくさんおられるので。近くに人がいないだけなので。一生懸命、相撲を取れるように」と、テレビの前のファンに熱戦を届ける。
昨年4月、乱雑な部屋に「断捨離」を決意した。YouTube動画、本も何冊も読み、徹底して「ミニマリスト」を研究した。
Tシャツも5枚、ズボンなども5枚に統一。それ以外の服は、処分した。テレビもなく、本も捨て今は電子書籍。「すっきりした部屋で集中する環境が整っている」と、ミニマリストを目指して以降、相撲へも好影響しかない。
宇良は2度の右膝手術を行い、一時は序二段まで降下。長いリハビリを乗り越え、昨年11月場所、16場所ぶりに関取復帰して9勝6敗。初場所、先場所と連続で10勝を挙げ、2017年九州場所以来、約4年ぶり幕内返り咲きが狙える番付に回復した。
夏場所後の6月22日には29歳になる奇手で沸かせるアクロバット力士。「力を出し切った結果。千秋楽まで考えないように。いつもと同じ勝ちたい思い」と目の前の一番に集中し、残り14日を戦い抜く。