朝乃山、正代を圧倒 場所前には富山に帰郷 亡き恩師に昇進報告「見守って下さい」
大相撲の合同稽古が19日、東京・両国国技館内の相撲教習所で始まり、夏場所(5月9日初日、両国国技館)で大関初Vを狙う朝乃山(27)=高砂=は正代(29)=時津風=といきなり大関同士の三番稽古(同じ相手と続けて何番も取る)に臨み、15番取って12勝3敗と上々だった。
「相手は大関正代関だったので、しっかり自分の形を作って相撲を取ることで、15番になりました」と、納得の口ぶり。
立ち合いの踏み込みから左上手も早く、右四つに組み、圧倒する相撲が目立った。「関取衆とは久しぶりにやりますので、けがなく終われたらいいですし、踏み込み、左上手、そういうのを大事にしながらやっていきたいですね。いろんなタイプのいろんな関取衆もいますので、稽古をしていきたいな」と、残り3日間も、入念に実戦感覚を磨いていく。
場所前には約1年ぶり富山に帰郷。「大関になって初めて帰省しましたので、おめでとうや励みの言葉や指導されることもいろいろお言葉をいただきましたので、それを胸に刻んで5月場所も頑張りたいですね」と、英気を十分に養った。
母校・富山商も訪問し、後輩らにあいさつする機会もあった。「3年間短いようで長いような、あっという間なので、1日1日無駄にしないように高校生活を送ってください」と先輩として、言葉を送った。
母校の呉羽中学にも行き、夜間稽古では指導もした。17年に死去した恩師、浦山英樹先生の次男が同中の相撲部におり、現在2年生。「1年ぶりに会うので結構体も大きくなっていましたし。久しぶりに話した。小学生の時はすごく生意気だったんですけど、中学生になれば敬語も使えるようになって。昔の態度のままじゃなくて、何て言うんですかね、なんか寂しいという気持ちもありましたね。生意気だったのに急におとなしくなって」と、成長にびっくり。
小学生の時に一緒に遊んでいた際にはタメ口。「『石橋!』と呼ばれていました。いい思い出です。今は先輩とか、石橋先輩って。(同中学に)今の中2の世代が4人いますので。自分の中学校の時よりは確実に強いと思いますので。また帰省した時は顔出しに行って見てみたい」と、楽しみな後輩だ。
恩師の自宅も訪れ仏壇に手を合わせた。「大関に昇進しましたということと、大関になってちょっとふがいない場所が続いていますので。また稽古に精進して頑張りますと。けがしないように見守っていてください」とお願いした。
富山に力をもらい心身とも充実。2年ぶり夏場所制覇へ突き進む。