渡辺一平 完敗…3位で五輪消えた「何が間違っていたのか」

 「競泳・日本選手権」(7日、東京アクアティクスセンター)

 男子200メートル平泳ぎは佐藤翔馬(20)=東京SC=が日本記録を0秒27更新する世界歴代2位の2分6秒40で優勝し、初の五輪切符を手にした。前世界記録保持者の渡辺一平(24)=トヨタ自動車=は3位で落選。武良竜也(24)=BWS=が2位で内定した。

 一発勝負の選考会に潜む“魔物”に、日本記録保持者が飲み込まれた。序盤こそ持ち前のダイナミックな泳ぎで先手を奪った渡辺だったが、中盤から抜け出した佐藤に引き離され、最後の50メートルで武良に差し切られて3位。派遣標準記録も突破できない完敗に、なかなかプールから上がれず、天を仰いだ。

 「自分としては精いっぱいやったつもり。すべての力を出し切った。ふがいない。何が間違っていたのか、どうすれば良かったのか。なんとも言えない」。震える声で紡いだ言葉に、無念がにじんだ。世界記録すら視野に入れて臨んだレース。水中での感覚も悪くなかった。結果だけがついてこなかった。

 100メートルでも五輪を逃しており、これで東京五輪は消滅した。「これが競泳の面白さであり、残酷なスポーツだなと思う」。リオ五輪後の17年に当時の世界新記録をマーク。世界選手権でも銅メダルを獲得し、日本にとっての“お家芸”をけん引してきた24歳に、非情な現実が立ちはだかった。

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