照ノ富士 意地の“文句なし”大関復帰へ「師匠の顔に泥を塗るのは…」昇進預かる立場

 優勝一夜明けのリモート会見を行う照ノ富士(日本相撲協会提供)
 優勝一夜明けのリモート会見を行う照ノ富士(日本相撲協会提供)
 八角理事長(手前)から賜杯を受け取る照ノ富士=28日
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 大相撲春場所(28日千秋楽)で21場所ぶり大関復帰と4場所ぶり3度目優勝を果たした関脇照ノ富士(29)=伊勢ケ浜=が29日、都内の部屋からリモートで一夜明け会見した。

 古傷の両膝は悲鳴をあげ、痛み止めを打ちながら終盤は戦った。13日目から正代(時津風)、朝乃山(高砂)、貴景勝(常盤山)と3大関を総なめして栄冠。「精いっぱい頑張ったと思う」と15日間をかみしめた。

 師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)からねぎらい。場所前、2月11日に結婚式を挙げたドルジハンド夫人(26)からも「おめでとう」と祝福された。

 お祝いの連絡もたくさんあった。「本当にありがたい。自分のことのように喜んでくださる方がいるのを改めて感じた」と語った。

 優勝の意識は終盤までなかった。13日目にトップの高安(田子ノ浦)が敗れ、3敗で並んだ時、「頑張ったら、もう1回(優勝)いけるのかなという気持ちになった」と、気合が入った。

 膝痛にも耐えた。「常に付き合い方を知っている、慣れているから乗り越えることができている。1日の中で治療から何からベストを尽くすことを意識していた。それで勝てなかったら仕方がないこと」と明かした。

 大関へ再昇進目安は今場所9勝で三役3場所計33勝をクリアする計算だった。「9勝に乗せて、そこからだと思っていた」と言う。

 師匠が昇進を預かる審判部トップの伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)だったため、「師匠が上げる、という声がどうせ出てくる」と、ギリギリで上がれば“身内びいき”ともとらえられかねない。

 だからこそ「師匠の顔に泥を塗るのは絶対に許せない。上げてもらう以上、上げてくれた人に悔しい思いをさせたくない」と、文句のない計36勝の結果を残した。

 両膝手術、内臓疾患で大関から序二段まで降下し史上最大のカムバック。「この日、この日でできることを精いっぱいやる準備を整えていくことが大事。病気になって車いすでいる時に1日1日の戦いを必死に生きようとしていた。1日1日の大切さをその時に学んだ」と、どん底の日々が照ノ富士を変えた。

 親方、おかみさんが常に自身を信じてくれ、「もう1回できるという気持ちにしてくれた。支えがあって今にたどり着いた」と感謝。辞めなくて良かった?と問われると「良かったと思う」と、うなずいた。

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