宇良が勝利 全力で炎鵬との業師対決制す “もう一番”なら「気持ちは持たなかった」

炎鵬(手前)を攻める宇良=両国国技館(撮影・高石航平)
 押し倒しで炎鵬(左)を破る宇良(撮影・高石航平)
土俵下で物言いの協議を見つめる宇良=両国国技館(撮影・開出牧)
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 「大相撲春場所・8日目」(21日、両国国技館)

 注目の人気業師対決は十両宇良(28)=木瀬=が炎鵬(26)=宮城野=を押し倒して3連勝で6勝目(2敗)を挙げた。土俵際もつれて物言いが付き、2分以上の協議の末、軍配通りに宇良が勝ち名乗り。もう一丁を期待した館内からは思わず、ため息が漏れた。

 いつもとは逆。炎鵬を中に入れまいと宇良が突いて警戒。相手の引き技に乗じて一気に出ると、そのまま体ごと土俵外に吹っ飛んだ。瞬間、炎鵬も必死に残して粘った。

 「(最後は)しっかり見て押したので、全然、危ないところはあったのかなと。もう1回になったら気持ちは持たなかった」と安どの顔で振り返った。

 宇良は2度の右膝手術を乗り越え、昨年11月場所、16場所ぶりに関取復帰して9勝6敗。先場所は10勝を挙げ、今場所、東十両7枚目に番付を上げた。

 自身が長期リハビリ中、幕内土俵で大暴れしていたのが関取最小兵、168センチ、98キロの炎鵬。「すごいな、と思って見ていた」と言う。2歳下の相手ながら「勉強になる」と対戦へ意気込んでいた。

 実際に対面し、「あれだけ小さい体で正面に向かって立って、違った意味で怖い雰囲気だった。自分もそういうオーラを出していけるようにしたい。何(をやってくる)か分からないので意識し過ぎず」と、やはり特別な一番になった。

 アマチュアでは関学大3年時に西日本学生で対戦。宇良が激しい応酬の末、押し出しで制した。「あれから何年たってることか。もっと体も小さかった」と言うが、プロでも先輩の貫禄を見せた。

 取組の前も後も大きな拍手。応援タオルも館内真っ二つだった。「名前呼ばれた時の拍手の大きさは普段とは違うと感じた。終わってみたらうれしい」と、ファンの期待を実感した。

 「勝負は相撲なので時の運」と宇良。これからまだまだ重ねる「令和の業師対決」の第1ラウンドは激戦で大いに盛り上がった。

 優勝争いも2敗トップで宇良、炎鵬、千代丸(九重)の3人が並んだ。「いつも優勝争いのことを言われるけどしっかり期待を裏切ってきたので自分は優勝できないと思っている」と、最後はしっかり“宇良節”で締めた。

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