大坂なおみは世界を代表する女性選手 差別とも戦う…テニスの枠を超えた存在に

 2年ぶり2度目の優勝を果たし、喜ぶ大坂なおみ(ロイター=共同)
 ポイントを奪いガッツポーズする大坂なおみ(ゲッティ=共同)
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 「テニス・全豪オープン」(20日、メルボルン)

 世界ランキング3位の大坂なおみ(23)=日清食品=が女子シングルス決勝で同24位のジェニファー・ブレイディ(25)=米国=を6-4、6-3で下し、2年ぶり2度目の頂点に立った。ツアー大会は通算7勝目。22日付世界ランキングで2位に浮上する。

 コロナ禍で先行きが不透明な中、自らと同じマイノリティー(人種的少数派)や女性ら社会的弱者に優しいまなざしを向け、力強いプレーで勇気を与える。大坂はテニス界の枠を超え、今や世界を代表する女性アスリートだ。劣勢にも動じず、女王の強さを示した大坂は「あなたのお母さんも友人も誇りに思っている」と、相手のブレイディを思いやった。

 ハイチ出身の父、日本人の母を持ち、3歳で移住した米国で始めたテニス。夢を実現するにつれ、使命感が心に宿った。「前は日本人最初の四大大会覇者になり、歴史をつくることがゴールだった。今も全て勝ちたい。でも、優勝トロフィーに名を刻むことより大きなことがある」とコート外にも活動の幅を広げる。

 人種差別に抗議し、黒人被害者名が入ったマスクの着用で注目を集めた昨年の全米オープン。「私はアスリートである前に黒人女性」と主張し、その行動に共感の声が広がった。全豪前には「新型コロナによるアジアのコミュニティーへの差別には嫌気が差す」とツイッターで発信した。以前なら避けた政治的な質問にも言葉を選びながら対応する。

 準決勝で大坂に完敗を喫した第一人者のS・ウィリアムズ(米国)は「コートの内外で素晴らしい選手」とたたえた。テニスを最優先に取り組む大坂は自身のことを、仲間の努力を受け止める「器」と表現する。その大きな器には多くの人の夢や希望も詰まっている。

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