千代翔馬、千代の国が九重部屋のコロナ集団感染を乗り越え「徐々に体を作っていく」

 相撲を取る千代大龍(右)=日本相撲協会提供
 相撲を取る千代大龍(右)と千代翔馬=日本相撲協会提供
 新しい部屋で稽古する九重部屋の力士ら(日本相撲協会提供)
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 新型コロナウイルス集団感染が起き、大相撲初場所を全休した九重部屋の幕内千代翔馬、千代の国が18日、電話取材に応じた。

 師匠の九重親方(元大関千代大海)も含め部屋で計16人が感染。自身も感染した千代翔馬は熱もなく、1日だけ入院したが、体は元気だった、という。ただ夫人と子どもも陽性判定。「3人で毎日保健所と連絡を取りながら。きょうはどう、とか、熱はどれぐらいあったとか。子どもが1日だけ熱があったんですね。37・5度。でもすぐ元気よくなって。その後は普通ですね。味もあったし、においも分かるし」と全員が軽症で乗り切った。

 初場所はストレッチをしながらテレビ観戦したが、やはりコロナの症状が心配でならなかった。「緊張しながら。熱があるのかどうなのかなとか、味がなくなるのかとか。子どもの状態がどうなのか分からないから。初日から休場とかは初めてなんで。相撲を取れなくても相撲を見て、最初の2日間とか3日間とかは緊張感とか硬さが出ましたね。十両とか幕内の取組を見たら、いつもの場所中とは違う感じで。相撲を見ても違う感じですね」と明かした。

 食事も意識して取り、体重も全然落ちなかった。「自宅でどこも出られなかったんで。ネット、オンラインのお金を払って、家の入り口の前に置いてもらって。そこから材料をもらって。奥さんが。でもすごいのは保健所から、もし足りなかったら料理や材料を送ってあげますと言われて。それは日本ってすごいなと思いました」と、感激した。

 出身のモンゴルでもニュースになり、連絡もあった。「テレビ電話しながら全然元気ですよっていって。そうしないとやっぱり家族とかお父さんお母さんとか心配していると思いますし」と語った。

 千代の国は自身は陰性だったが、自宅からは出ず、ほぼ1カ月、稽古はできなかった。「家の中で汗は流していたんですけどね。本当に四股も踏めないですし限られたことしかしていない」ともどかしい日々を過ごした。

 部屋で稽古ができるようになったのが、2月の初旬。「相撲を取っていないと久々に稽古開始して相撲を取るとこんなに体が落ちるんだなって感じでした。相撲を取るのが大事なんだなと改めて思いました。体重ももちろんちょっと落ちたし、それよりも力が落ちたって感じでしたね。もうビックリしましたね」と、明かした。

 まだ体力などは戻り切らず、関取衆との申し合いは控えている。「ケガしない程度に。下のことやってるんですけど、自分。関取衆とやるとぶっ壊されちゃうので徐々に体を作っていくという段階ですね、今は」と段階を踏んでいく。

 15日に部屋は東京都墨田区から葛飾区に移転。コロナ禍を乗り越え、心機一転、新生九重がスタートした。千代翔馬は「先代のところもすごく大きくてきれいだったが、新しい部屋はすごくきれいで広いし、全部新しいからすごく気持ちいいですね。親方が風呂のシャワーとかたくさんつけてくれた。衣装ケースとか全部新しくしているし、押し入れとか結構たくさんある」と、機能性に満足。部屋にWi-Fi付きの環境も喜んだ。

 千代の国も「気が引き締まるというか、また新たなスタートとして頑張って行こうという気持ちにはなってます」と気合十分だ。

 入門時から15年過ごした先代の部屋。先代師匠の思いも胸に刻む。「教えてもらったことには変わりないので。やることは一緒」と言う。

 引っ越し前日、14日には先代師匠の仏壇に手を合わせた。「ご仏壇の前でお礼もそうですし、思いを伝えさせてもらいました。本当に育てていただいて、という感謝の気持ちと、ここで達成できなかった三役昇進という目標を次はかなえられるように頑張っていきますと。感謝の気持ちとこれからの意思を示してきました」と話した。

 

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