“ポスト森”に5つの条件 17日にも内定 6人が候補に 五輪経験者からの選出有力視
東京五輪・パラリンピック組織委員会は16日、“女性蔑視発言”問題の引責で辞任を表明した森喜朗会長(83)の後任候補者を選出する検討委員会(座長・御手洗冨士夫名誉会長)の第1回会合を都内で開催し、5つの選考基準などを決定した。同会合は17日にも行われ、候補者の絞り込みを行う。早ければ同日中にも一本化し、今週中にも新体制が発足する。組織委の小谷実可子スポーツディレクター(54)、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)、橋本聖子五輪相(56)らが候補となる。
五輪準備において、絶大な存在感を誇ってきた森氏の“後継”に求められる条件が、この日示された。検討委の第1回会合で、会長に必要な資質として、5つの選考基準を決定。(1)五輪、パラリンピック、スポーツへの深い造詣、(2)男女平等、多様性などオリンピック憲章や東京大会の理念を実現し、それを将来にレガシーとしてつなげていくことができる人物、(3)国際経験、知名度、国際感覚、(4)これまでの準備状況への理解、(5)組織運営能力と調整力を条件とした。
関係者によると、検討委のメンバーは御手洗名誉会長、室伏スポーツ庁長官、東京都の多羅尾副知事、JOCの山下会長、体操元五輪代表の田中氏、バレーボール元五輪代表の荒木田氏、柔道五輪金メダリストの谷本氏、パラリンピック水泳代表の成田氏の男女4人ずつ計8人。候補者については検討委メンバーからの選出も、除外しないことを決めた。
現状、関係者間では橋本五輪相、JOCの山下会長、組織委の小谷スポーツディレクターの名前が挙がる。ただ、橋本氏は海外メディアから過去のセクハラ騒動が指摘され、態度を硬化。この日、就任に難色を示していることが判明した。山下氏は森氏の女性蔑視発言の際の会議に同席しており、当時の対応が問題視されている一方、その責任をとる意味で就任を求める声も。「失点が一番少ない」(大会関係者)という小谷氏最有力との見方がある。
また、鈴木大地前スポーツ庁長官、室伏広治現スポーツ庁長官、一部からは日本フェンシング協会の太田雄貴会長を推す声もあり、五輪経験者からの選出が有力視されている。
組織委は17日に候補者を絞り込み、早ければ同日中に新会長が内定する見通しだ。ただ、森氏が直接打診したことが政府から問題視され辞退に追い込まれた川淵氏の二の舞いを避けるため、正式決定まで候補者名は非公表とする方針。大会を5カ月後に控える中で、燃えたぎっている“火中の栗”を拾うのは果たして-。




