森喜朗氏15分間の辞任挨拶全文【3】「私がいる限り、ご迷惑」 「老害」には不快感

  東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が12日、都内で行われた理事と評議員を集めた合同懇談会で、女性蔑視ととられる発言の責任を取り、辞任する意向を表明した。以下、15分に及んだ冒頭の挨拶全文の終盤。「老害」という言葉に強い不快感を示した一方で、今後もスポーツ界に貢献すべく研さんしていくことを誓った。

   ◇  ◇

 昨日、バッハ会長とコーツさん、私と武藤さんとで電話会談を約1時間ちょっといたしました。バッハさんからも、大変、ねぎらいの言葉をいただきましたし、ここまでよくもしっかりやってくれたと。東京2020の大きな成果だということで、大変称賛もいただきました。ぜひこの後、遅滞のないようにこの運用をしていかなきゃならんと思いました。私がいる限り、ご迷惑をかけるということになったんでは、これまでやってきた努力が全く無になってしまいます。

 従って、誰かが老害、老害と言いましたけど、年寄りは下がれというのはどうもいい言葉じゃないので。子供たちに対する、いろんな言葉がございますけども、老人もやっぱり日本の国のために、世界のために頑張ってきているわけですから、老人が悪いかのような表現をされるのは極めて不愉快な話であります。

 しかし、そんな愚痴を言っていてもしょうがないことでありますので、この際、この組織委員会、約8年になりますか。小学校がちょうど1年間留年になりましたので、ちょうど小学校が終わったような感じでありまして。そこで後半の中学校の方の仕上げを新しい会長にリーダーシップをとってやっていただいた方がいいだろうという思いをいたしまして、本日をもちまして会長を辞することを改めて正式に皆さまに表明をいたしまして、どうぞご了承をたまわれればと思います。

 今日はせっかくお集まりいただいた会合ですから、いくつかご相談をいただくかと思いますが、最後には後継者への選定をどうするかというお話も事務総長から取り計らいがあるかと思いますが、どうぞ皆さまの率直な意見をいただいて、この会が意味のある会であったと。私にとりましても、会長として理事会、評議員会、最後の会として心に残るように、そういうぜひ運営をお願いできればと思います。本当に皆さん、ありがとうございました。

 今日は都議の皆さんもいらっしゃいますが、東京都の大きな仕事がオリンピック・パラリンピック、それを組織委員が担当いたしてここまで進めてきたわけです。都民の皆さん、そして国民の皆さん、また東京都、国、政府、多くの皆さんの協力があってここまで来れました。スポーツ団体の皆さんにも本当に大きなお力をいただきました。皆さまに心からおわびを申し上げて、そしてお礼を申し上げて、私の命ある限り、日本のスポーツ振興のために、さらに研さんをしていきたい、そんなふうに考えております。どうぞ今日の会合をよろしくお願い申し上げて、おわびも兼ねて、お願いを申し上げた次第です。ありがとうございました。

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