17歳・森秋彩パリの星だ!五輪落選も野中、野口撃破で初V「自信につながる」

 優勝した森秋彩
 男子優勝の藤井快(左)と女子優勝の森秋彩
2枚

 「スポーツクライミング・ボルダリング・ジャパンカップ」(31日、駒沢屋内球技場)

 男女決勝が行われ、女子は森秋彩(17)=茨城県連盟=が決勝の4課題を全完登し、初優勝を飾った。男子は藤井快(28)=TEAM au=が3年ぶり4度目の制覇を果たし、男女とも2020年12月のスポーツ仲裁裁判所の判断で、東京五輪出場の夢が絶たれた選手が優勝した。五輪代表は女子の野中生萌(23)=XFLAG=が2位、野口啓代(31)=TEAM au=が準決勝敗退、男子の楢崎智亜(24)=TEAM au=が2位、連覇を狙った原田海(21)=日新火災=は6位に終わった。

 “パリの星”の輝きが、五輪代表勢をのみ込んだ。森は優勝を決める最終課題のゴールのホールド(突起物)に飛びつくと、クールにマットへ着地した。難課題が続いた決勝を唯一の全4完登。五輪代表の野中、野口を打ち破っての初戴冠に「正直自分が優勝するとは全然思ってなかった。私が優勝していいのかなと。ちょっと申し訳ないと思ったりした」と、頬をかいた。

 抜群の粘り強さが光った。第2課題は中盤で何度も足場や体を入れ替えながらこらえ、ゴールにたどり着くと、五輪代表の野中も攻略できなかった第3課題も6度目のトライでルートを見つけ出し、完登。「どの課題も自分の得意な動きだった。うまくはまった」と振り返ったが、「優勝できて自信につながる」と、うなずいた。

 20年12月、突如として1つの夢が絶たれた。日本協会が国際連盟を相手に五輪代表選考基準の解釈を巡り、スポーツ仲裁裁判所に提訴していた。日本側の主張が認められれば、森にも東京五輪出場の可能性があったが棄却された。「ショックはあった」。ただ、まだ17歳。「絶対(24年)パリは行ってやる、と。そういう気持ちが強くなった。悔しさをバネにできた」と前を向き、再び登り始めた。

 パリ五輪は、ボルダリングと19年世界選手権で銅メダルを獲ったリードの、2種目の複合で争われる。成長度を考えれば、十分にメダル候補といえる存在だ。「表彰台を目指していきたい」。20年身長は2センチ伸びた。クライミングもまだまだ伸び盛り。156センチの体には、無限の可能性が詰まっている。

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