緊急事態宣言下の大相撲初場所完走 戦後最多の関取19人休場も

 「大相撲初場所・千秋楽」(24日、両国国技館)

 最後まで新型コロナウイルスの脅威にさらされた場所だった。日本相撲協会は24日、九重部屋で新たに幕下以下力士3人が感染したことを発表した。前回陰性と判定された10人が23日までにPCR検査を受け、この日、陽性が分かった。

 九重部屋では初場所前、幕内千代翔馬、十両千代鳳ら4人が感染。場所中に師匠の九重親方(元大関千代大海)ら10人が感染。時間差の集団感染で陽性者は計17人まで増えた。

 緊急事態宣言下で出場した力士ら日本相撲協会員や観客には、感染者を1人も出さず完走した。八角理事長(元横綱北勝海)は千秋楽恒例の協会あいさつで「感染対策にご対応いただきましたお客さまの、ご協力のたまもの」と、感謝の言葉を述べた。

 一方で場所の成立すら危うい状況だった。年末年始にかけ荒汐部屋でクラスターが起き、宮城野部屋の横綱白鵬も感染。場所直前、全協会員に行ったPCR検査では九重部屋、友綱部屋で感染者が出て、4部屋の力士65人全員が初場所を全休した。横綱鶴竜は腰痛で不在。綱とりの大関貴景勝も途中休場し、最終的には戦後最多の関取19人が休場した。

 これで昨年7月場所から観客を入れ4場所連続で全日程を消化。芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「国の方針の中で、対策を取って乗り切れた。場所前のPCR検査は大きい。あのまま感染者が混在していたら、どうなっていたか」と話した。ただ春場所(3月14日初日、エディオンアリーナ大阪)は厳しい情勢。28日の理事会で開催方法が協議されるが、感染が収まらない中、1年ぶり地方場所開催へのハードルは高い。

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