天理大・小松監督の指導結実“東高西低”の大学ラグビーに風穴 因縁相手に悲願達成

 「ラグビー・全国大学選手権・決勝、天理大55-28早大」(11日、国立競技場)

 “東高西低”の大学ラグビーについに風穴を開けた。コーチ時代からチームを作り上げて28年目となる天理大の小松節夫監督(57)は3度目の決勝舞台でついに悲願を達成した。関西勢で前回優勝した1984年度の同大に当時、1年生として所属していた指揮官。関東勢に挑み、はね返され続けてきたラグビー人生だった。

 悲願の日本一にも涙はなかった。「うれしさが上回って…。勝って泣くことはありませんでした」。小松監督は歓喜の雄たけびを上げる選手を誇らしげに見つめた。

 関東勢に挑み続けたラグビー人生だった。天理高で高校ジャパンに選ばれ、同学年の平尾誠二氏とコンビを組んだ。卒業後、フランス留学を経て、3年遅れで同大に入学する。平尾氏が4年生となり3連覇を達成した84年度は小松監督は1年生。メンバーに入らず、偉業の瞬間は京都に残ってテレビで見た。

 4年になり、背番号「12」で先発した87年度も決勝まで進んだが、国立の舞台で堀越、今泉、藤掛の1年生トリオが躍動する早大に10-19で屈した。「天理は過去2回決勝で敗れ、今回3回目と言われるが、私の中では4回目」。因縁の相手との雪辱戦でもあった。

 関西Cリーグに低迷していた天理大の再建を託され、93年にコーチに就任した。選手獲得では関東勢どころか「関関同立と天理では大学の規模も歴史も違う」と関西内でも苦戦する。その中で「体を張れる、ハードワークできる、走れる」といったスキル以外に着目し、磨けば光る“原石”を探してきた。

 小松監督は言う。「うちに来たいという選手を集めて教えることで、花園優勝や高校ジャパンと対抗できるようになる面白みはある」。一貫した指導がいま結実した。

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