65キロ差…135キロ朝比奈撃破の18歳桑形が無差別で快進撃3位「パリ五輪目標」

 「柔道・全日本女子選手権」(27日、講道館)

 体重無差別で争われ、70キロ級の桑形萌花(くわがた・もか、18)=兵庫・夙川高=が18年世界選手権78キロ超級女王の朝比奈沙羅(24)=ビッグツリー=から金星を奪うなどの快進撃で、殊勲の3位に入った。

 スーパー高校生は初戦から“大物狩り”を果たした。2回戦で176センチ、135キロの元世界女王・朝比奈と対戦。身長差13センチ、体重差は約65キロという破格の体格差だったが、相手の釣り手を徹底して殺した。延長に入ってからも動きながら担ぎ技を狙い続けて体力を奪い、8分34秒、指導3つによる反則を誘発し殊勲星を挙げた。

 「(技を)掛けるしかないと思って、投げられなくても掛けよう、掛けようと。最後まで我慢して戦えた」

 快進撃は止まらず、準々決勝も最重量級の選手相手に技をかけ続け、相手の反則により勝利。準決勝は玉砕したものの、70キロ級を主戦場とする高校3年生ながら、体重無差別の大舞台で3位という好結果に、「たくさん強い選手がいる中でここまで行けて、コロナで練習できなかった分、自分で考えてトレーニングしてきたかいがあった」と胸を張った。

 出身道場の兵庫少年こだま会、夙川中・高の先輩には52キロ級五輪代表の阿部詩(20)=日体大=がおり、大会前には「思い切りやるしかない。しっかり自分の柔道をしたら大丈夫」と助言を受けたという。桑形は「まだまだ(阿部先輩には)かなわないが、朝比奈選手にも勝って少しは追いつけたかな」と笑顔を見せた。

 「(2024年)パリ五輪の金メダルを獲ることが目標」というホープは、「(今大会は)自分よりデカい相手の中でここまでいけるんだと思ったし、すごく来年に向けていい方向に進んでいける試合だった」と大きな自信をつけた。

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