照ノ富士、東前頭筆頭に 大関復帰へ「近づいてきた」

部屋で番付発表会見を行った照ノ富士(日本相撲協会提供)
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 「大相撲秋場所」(9月13日初日、東京・両国国技館)

 日本相撲協会は31日、秋場所の番付を発表した。先場所、5年ぶり復活優勝を果たした元大関の照ノ富士(28)=伊勢ケ浜=は幕尻から一気に東前頭筆頭に番付上昇。都内でリモート会見を行い、「予想より(番付が)上がった。その分、責任があるので頑張りたい。この位やってくれるというので上げてくれたと思う。その分、やっぱり頑張らないと」と気を引き締めた。

 15年夏場所で初優勝し、同場所後に大関昇進。だが両膝負傷、内臓疾患も重なり、14場所で大関を陥落し、一時は序二段まで降下。引退を何度も決意する、どん底からはい上がった。先場所、史上最大の復活劇でコロナ禍の人々を勇気付けた。

 秋場所は約3年ぶり上位総当たり戦。序盤戦で大関、横綱戦が組まれる可能性も高い。「やってきたことを信じてやるだけ。上位みんな当たるから、できるだけ多く勝ってチャンスを逃さずつかみたい。(元大関の)意地とかいうのは序二段の時に捨てている。できることは全部やるだけ」とパソコン画面越しにも気合が伝わった。

 番付表を見て、大関の地位も見えてきた。「近づいてきた。そういう思いがないと相撲が取れないので」とキッパリ。大関復帰への思いは「特に戻りたい、上に上がりたい意識はない。一場所一場所、一日一日集中して、その後に結果が付いてくればいい」と、冷静に語った。

 場所後の休みの終わった8月上旬にはもう相撲を取る稽古を再開させた。関取衆との申し合いもすでに行っている。序二段で復帰してから、ずっと長期休みは取っていない。「2、3日続けて休むと逆に痛くなる。できるだけ休みをい長く取らないように意識した」と気持ちを緩めない。

 かつて、同じくケガに苦しんだ安治川親方(元関脇安美錦)から言われた。「今場所が終わったら来場所が始まっている」。ケガと戦う日々だからこそ今その言葉が分かる。優勝はしたものの、両膝はまだ万全ではない。「痛みは取れない。どれだけ筋肉でカバーしていくか」と話した。

 秋場所まで2週間。場所の間隔が短いが、稽古をやってきた自負がある。「今回は(場所の間隔が)短いけど、みんな同じ。その中で誰が一番、コントロールできたか。コントロールできた人がいい成績を残す。(自身は)今のところできている」とうなずいた。

 やんちゃだった昔の姿はなく、大人になった。怪力を生かしたかつての豪快相撲を再び見せたいかと問われると「ごめんなさい、できません。それでケガしたとみんなに言われている」とキッパリ。場所後、自らへのご褒美を問われると「特に欲しいものがない。筋トレと稽古しかやっていない。筋トレをやっているのが楽しい。この筋肉まだ足りないとか考えて、相撲の時に必要かなとか考えている」と、ストイックな日々を明かしていた。

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