風刺取り下げの特派員協会 会員反発「パロディ-は芸術」「欧米では考えられない」

 日本外国特派員協会(FCCJ)のカルドン・アズハリ会長が21日、月刊会報誌「NUMBER 1 SHIMBUN」の4月号で掲載した東京五輪の大会エンブレムと新型コロナウイルスのイメージを掛け合わせたデザインが、東京五輪・パラリンピック組織委員会から抗議されたことについてオンライン会見を開き、エンブレムの取り下げを表明した。

 アズハリ会長は「これは表現の自由、報道の自由の問題ではなく、著作権の問題」と、法的な問題があったことを最大の理由としたが、会見に参加した協会員は反発。「欧米では考えられない」、「パロディーは文化。パロディーを批判する人は歴史を理解していない。パロディーは芸術だ」、「著作権の問題として矮小化するのではなく、報道の自由の問題として、組織委に抗議すべき」との怒りの声が相次いだ。

 会長自身も「これが中東や欧米ではたぶん問題にされないだろう」と、認めた上で「我々は日本を拠点としており、日本の法律に従う必要がある」と理解を求めた。

 同デザインについては東京五輪・パラリンピック組織委員会が19日の会見で、FCCJに取り消しを申し入れたことを明らかにしていた。

 4月号に掲載されたデザインは、野老朝雄さんが手がけた市松模様のエンブレムが円形に並んでおり、下に新型コロナウイルスを指す「COVID-19」の文字が記されている。組織委の高谷正哲スポークスパーソンは「新型コロナウイルスによって、世界中で人命、経済、人々の生活に多大な被害がもたらされている中で、これを大会の象徴であるエンブレムと関連づけたデザインを会報誌の表紙やウェブに掲載したことは誠に遺憾。大会エンブレムに依拠したデザインであることも明らかであり、著作権法上の著作権の侵害にもあたると考えている」とし、FCCJに対して取り下げを求めたことを明らかにしていた。

 そして「多くの人々の感情への配慮を欠いた行為。大会を目指す世界のアスリートに対する配慮も欠いた行為と考えている。FCCJは自らの品位もおとしめる行為」と非難し、法的措置については「回答を待つ。そこに尽きる」と、話していた。

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