高橋英輝が不運3位…審判ミス「混乱しながら歩いた」 五輪決められず

 「陸上・日本選手権20キロ競歩」(16日、神戸市六甲アイランド甲南大周辺公認コース)

 東京五輪代表選考会を兼ねて行われ、男子は2019年の世界選手権で金メダルを獲得した山西利和(24)=愛知製鋼=が1時間17分36秒で初優勝した。6連覇を目指した高橋英輝(27)=富士通=は、歩型違反の警告掲示を審判員がミスする不運もあり3位に終わった。今大会の優勝が五輪代表入りの条件だった。女子は岡田久美子(28)=ビックカメラ=が1時間29分56秒で6連覇を達成し、東京五輪代表に決まった。

 五輪代表がかかる大一番。レース中に選手が自身の歩型違反の回数を確認する掲示板で、審判による人為的ミスが起こった。高橋は「勝敗とは関係ない。自分の歩きが悪かっただけ」と結果を受け入れたが、心理的影響は否めなかった。

 高橋には歩型違反「ロス・オブ・コンタクト」の警告が4キロと8キロで出て、計2つが掲示された。3度警告を受けると、ペナルティーゾーンで2分間の一時待機となる。だが15キロで3度目の警告が出ても待機場所へは誘導されず、先に掲示されていた警告が逆に一つ取り下げられた。

 レース後、審判員主任の藤崎明氏はスタッフ間のやりとりでミスが発覚したとし、実際には8キロの警告はなかったと説明。掲示担当への伝達ミスとみられるが、明確な原因は判明しなかったという。同氏は「あってはならないこと。再発防止に努めたい」と語った。また、今回の審判のうち5人は東京五輪も担当するが、五輪では端末による掲示で伝達ミスにはつながらないと説明した。

 高橋にとって実体のない1つを含む2つの警告が掲示されていた距離は7キロ。その間、山西と激しい首位争いを繰り広げた。18キロ過ぎに3度目の警告を受けて一時待機になったとはいえ、「混乱しながら歩いていた。(心理的には)難しかった。集中できなかった」と本音も明かした。今後は最終選考会となる全日本競歩能美大会(3月15日)へ出場。「チャンスはあるので頑張りたい」と気持ちを切り替えた。

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