世界陸連 厚底靴の全面禁止見送りナイキからの多額損害賠償懸念か…英BBC報じる

 陸上長距離界で男女マラソンの世界記録更新など好タイムが続出した米スポーツ用品大手ナイキの「厚底」靴「ヴェイパーフライ(VF)」への規制を巡り、英ガーディアンなどは29日、世界陸上競技連盟(世界陸連)が全面的な禁止を見送ったと報じた。

 英BBCは30日、その理由について「潜在的な法的争いの脅威を恐れて、調査委員会は物議を醸すVFの範囲に全面的な禁止を課さないことを選択した」との見方を示した。VFは現在、世界の市場を席巻。全面的な禁止を課した場合、ナイキからの損害賠償請求などの可能性を懸念したとみられる。

 世界陸連は31日に見解を表明する予定。BBCは「7月の東京五輪が始まる前に、新たな一時的規則の下で、一部の修正版は除外される可能性がある」とし、昨年10月に男子の世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ(ケニア)が昨秋の非公式レースで、人類初の2時間切りとなる1時間59分40秒を出した際に履いていたプロトタイプ「アルファフライ」については、規制される可能性もある。同モデルは3月の東京マラソンや、4月のロンドンマラソンで有力選手が好タイムを狙って着用する可能性が報じられている。

 また、ガーディアン紙によると、世界陸連はシューズ規定を強化する方針で、東京五輪が終わるまで新たなシューズ技術の導入を一時停止し、ナイキと他社製品の利点を比較評価するプロジェクトを立ち上げるという。将来的には新たな靴を大会で使用する前に企業側が試作品を提出し、世界陸連の承認が必要になるとしている。

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