豪栄道が晴れ晴れ引退会見 武隈親方として「横綱育てたい」…その前に嫁とり!?

 大相撲で引退した元大関豪栄道の武隈親方(33)=境川=が29日、東京・両国国技館で引退会見を行い、「大和魂」、「やせ我慢」で戦い抜いた15年の土俵人生に胸を張った。かど番で臨んだ初場所で負け越し関脇降下が決定。次の春場所は地元大阪ながら大関からの陥落を引き際と決めており、周囲の慰留にも一本気に信念を貫いた。愛されたナニワの根性大関は親方として自身を超える横綱の育成を夢に掲げた。師匠の境川親方(元小結両国)はまずは「嫁とり」を指令した。引退相撲は来年1月の初場所後を予定している。

 壇上の豪栄道は涙なく、晴れ晴れとしていた。「やりきった気持ちがあるので今は満足」と完全燃焼した。「数年前から、大関から落ちたら引退しようと心に決めていた。今場所で大関を落ちることが決まって相撲を取る気力がなくなった」と潔く引退を決断した。

 来場所、地元大阪での再起を望む声も多かったが悔いはない。「気力のない相撲を取るわけにいかない。この先、困難なことがあったら自分に甘えが出る。自分で決めたこともやり遂げられないのかという思いが(あった)」と信念を貫いた。

 大関昇進時の口上「大和魂」の侍だった。「我慢強く、潔くというのが大和魂の本当の意味」。両肩など近年は負傷の連続。昨年九州場所で負った左足首じん帯負傷は致命傷になった。それでも「言い訳は何一つない。やせ我慢というのがずっと心の中にあって。つらい時、苦しい時、人に見せないように努めた」と男の美学で戦い抜いた。

 初場所12日目に負け越して大関陥落が決まり、その夜、師弟で会談。引退が固まった。その後3日間を「今までの相撲人生の集大成」と全うしたのも豪栄道の生きざまだった。

 一番の思い出は初優勝を果たした16年秋場所。かど番での全勝優勝は史上初だった。「皆さんが自分のことのように喜んで。それが一番よかった」と、最高の瞬間だった。

 同学年の元横綱稀勢の里(現荒磯親方)とともに外国勢に立ち向かった。歴代10位の大関在位33場所で2桁勝利7度、かど番9度と苦しんだが、武骨で男気あふれたナニワの大関。「横綱を育ててみたい」と夢を掲げた。

 境川親方は涙ぐんだ。「男のド根性を誰よりも持っている。日頃は愛想を崩すでも、しゃれたことが言える男でもないけど時折、目を細めてにこっと笑う姿が、なかなかいい」と愛をあふれさせた。

 33歳、独身のまな弟子に師匠は「綱とりはできなかったので嫁とりをよろしく」と指令。伝え聞いた新親方は「マイペースで頑張ります」と苦笑いで答えていた。

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