「大阪国際女子マラソン」（２６日、長居陸上競技場発着）

　東京五輪代表残り１枠を争うＭＧＣファイナルチャレンジを兼ねて行われ、松田瑞生（２４）＝ダイハツ＝が日本歴代６位の２時間２１分４７秒で２年ぶり２度目の優勝を果たした。ファイナルチャレンジ設定記録２時間２２分２２秒を上回り、五輪代表入りへ大きく前進した。

　高校時代から愛用する名工の逸品が、松田の激走を足元から支えた。陸上長距離界はナイキの厚底シューズが席巻。男子トップ選手のほとんどが使用する中、松田は高橋尚子や野口みずきの五輪金メダリストのシューズも制作した名工・三村仁司氏のニューバランス社のシューズで挑み、好記録を叩き出した。

　松田は当初、使用予定だったシューズがキツく感じたため、２３日に急きょ修正を依頼。届いたのは、レース前日の２５日だった。三村氏によると「両足とも２・５ミリ大きくした」という。外反母趾（ぼし）を抱え、足がむくみやすい松田の特徴を熟知。繊細な“チューニング”で快走を導いた。

　レースを見届けた三村氏は「普通は直前の変更はあまりないけど、それができなきゃ技術者じゃない」とうなずいた。厚底ブームの流れに一矢報いる形となったが「あんまり関係ない。選手がそれぞれに合った靴を履くのが基本」と説いた。