早田ひなが初V!女子複合と2冠で号泣 3月の世界選手権団体戦代表に

 「卓球・全日本選手権」(19日、丸善インテックアリーナ大阪)

 女子シングルスは初の決勝に挑んだ早田ひな(19)=日本生命=が、準決勝で伊藤美誠(19)=スターツ、決勝で石川佳純(26)=全農=の東京五輪代表コンビを撃破し、初優勝。伊藤との女子ダブルスとの2冠を達成した。男子シングルスの宇田幸矢(18)=エリートアカデミー=は決勝で東京五輪代表の張本智和(16)=木下グループ=を破り初優勝。早田と宇田は、3月の世界選手権団体戦(韓国・釜山)の代表に決まった。

 鬼の形相が溶けるように崩れた。勝利の瞬間、両手で顔を覆った早田は、地面に突っ伏して泣いた。4歳から指導を受けてきた福岡の石田卓球クラブや、二人三脚の石田大輔コーチ(40)へ「恩返ししたかった」と新女王。「頑張っても頑張っても結果が出ないことがすごく多くて」。思いがあふれ出た。

 五輪代表2人を打ち破った。女子ダブルスを組む伊藤との準決勝はフルゲーム。速くて力強いフォアとバックの両ハンド、チキータで相手を振り回し5年ぶりの勝利を挙げた。

 「気持ちが強い方が勝つと思っていた。攻めていくことだけ考えた」。決勝でも4度優勝の石川を寄せ付けない。3ゲームを先取。1ゲームを返されても動じず、得意のラリーでは体勢を崩しながら強打をねじ込んだ。

 「平野選手と伊藤選手が優勝して、私も続きたいという気持ちはあった」。同い年の2人と同じ全日本女王の勲章が、今年はどうしてもほしかった。1月6日に発表された東京五輪代表に自分の名はなかった。「決心がついた。限界をつくらない」。今大会前は一日7、8時間ほどの練習を終え、風呂に入った後の午後10時からも30分のサーブ練習を自らに課した。「短い期間だったけど本当に追い込んだ。今まで逃げてきたことから逃げなかった」と振り返った。

 「“みうみま”2人から学ぶことがたくさんあった。負けて成長すると思うので、伊藤選手はもっともっと強くなる。それを追い越そうと平野選手や私が練習に取り組んでいく」。未来は明確に描けている。照準は24年パリ五輪だ。

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