「大相撲初場所」（１２日初日、両国国技館）

　二所ノ関一門の連合稽古が８日、都内の尾車部屋で行われ、大関貴景勝（２３）＝千賀ノ浦＝が今場所、大関から関脇に陥落した高安（２９）＝田子ノ浦＝と稽古し、１０番取って７勝３敗と上々だった。

　馬力も復活し好調ぶりを見せる高安を上回った。低く鋭い当たりから一気の電車道に親方衆も「おー」とうならせた。押し込んでから得意の突き落としも何度もさく裂。押し込まれても、土俵際、逆転など動きも軽快。一番相撲から６連勝と圧倒した。

　視察した元横綱で解説者の北の富士勝昭氏も絶賛。「元気じゃないの。（優勝は）貴景勝でしょう。言っちゃった。ぜひ狙ってほしい」とＶを予想した。

　元小結で相撲解説者の舞の海秀平氏も「元に戻っている。膝、胸のケガの影響もない。稽古通りの力を出せば優勝争いに絡んでくる。高安の調子が悪いわけではない。貴景勝の調子がいい。貴景勝と高安が終盤まで勝っていけば初場所が盛り上がる」と両者に期待した。

　貴景勝も手応え十分だ。「しっかり稽古してきた。足の運び、突き押し、体の反応、相撲勘というところを意識した。あとは基礎をしっかり積んで体がいい状態で本場所に臨みたい。調子としては全然いい」

　去年は春場所で大関昇進を決めたが、その後は右膝、左大胸筋など負傷に苦しんだ。初場所は久々に不安のない状態で調整してきた。「ケガが不安なく取れるのが大きい。新年一発目のスタートが切れるように。最後の番付（横綱）に上がるには優勝するしかない。優勝しなければいけない。常に優勝をどん欲に目指していく」と、闘志をあふれさせた。