64年東京五輪金メダリスト 岡野氏が柔道男子代表に極意を伝授

岡野功氏(中央)、井上康生監督(左)、大野将平=東京都北区・ナショナルトレーニングセンター
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 柔道の男子日本代表が24日、東京都北区のナショナルトレーニングセンターで練習を公開した。合宿最終日のこの日は、1964年東京五輪中量級金メダリストの岡野功氏(75)が講義を行った。

 岡野氏は最初の1時間、自ら「崩し」の技術を伝授。身ぶり手ぶりを交えて「どんなにいい技を持っていても、相手がバランスよく立っているときに、ストレートに自分の得意技で攻めても、なかなか技はかからない。相手のバランスを崩させ、そこを自分の得意技で攻めることが大切」と説いた。

 残りの30分は質問に充てられた。井上康生監督は「東京五輪はどのような感じで、どのような準備をしていたのか?」と質問。岡野氏「日本代表に選ばれることが大変だった。海外遠征でも親善試合でも、負けたら報道されるし、負けでもしたら一般の人から『死ね』とか『国賊』とか、いっぱいお手紙をいただいてね。大変だった。そういう時代だった。何があっても負けられなかった。(東京で優勝して)やっと責任から解放されたという安堵(あんど)感。喜びまでいけなかった」と、当時を振り返っていた。

 そして、選手への期待として「この間のラグビー(W杯日本代表)ではないけど、人に感動を与えるような、そういう試合をしてほしい。その延長線上に勝利がある」と訴えた。

 16年リオデジャネイロ五輪100キロ超級銀メダリストの原沢久喜(百五銀行)は、言われたことをメモに書きとめながら「相手の力を利用した技とか、崩しとか、今は組手が重要になってきているところで見失いがち。優しい口調で分かりやすかった」と収穫を強調した。

 岡野氏は東京五輪金メダルのほか、65年のリオデジャネイロ世界選手権でも金メダルを獲得。1967、69年に体重無差別で行われる全日本選手権で中量級ながら優勝した。

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