田中号泣、稲垣笑わず…W杯ラグビー日本代表パレードに5万人が歓喜の花道

 泣く男は号泣し、笑わない男は笑わなかった。ラグビーW杯で8強入りした日本代表選手が11日、東京・丸の内で「ラグビー日本代表ONE TEAMパレード」を開催した。涙もろいSH田中史朗(34)=キヤノン=は感極まって号泣。一方プロップ稲垣啓太(29)=パナソニック=は代名詞の通り強面(こわもて)のまま観衆に手を振った。

 パレード開始前から、もう顔はくしゃくしゃだった。沿道を埋め尽くす人波を見て涙が止まらなかった。号泣しながら歩き、歩みを止めて感極まった。田中は800メートルをずっと泣きながら歩いた。

 「2011年の僕たちがふがいなくて…。(今回)これだけの皆さんが集まっていただいて…。本当にうれしいです…」。未勝利敗退から8年。誰よりもラグビー界の発展を願う男は、パレード後にもこみ上げる思いに言葉を途切れさせた。

 対照的だったのは稲垣。笑顔を求める声にも表情を崩さずに手を振った。「『笑って』と何百回も聞いたけど、一回も笑っていないと思います」。笑わない男は美学を貫いた。

 集まった5万人のファン。選手個々に声が飛ぶ。リーチ主将には「リーーーチ!」と試合中にかけられた大合唱。プロップ中島が通れば「イヤボイ!」とあいさつ代わりの言葉が投げかけられた。

 フッカー堀江は「夢のようでした。僕は3大会に出ているんですが、初めての時はこんなことはまったくなかった」と言う。稲垣は「平日にもかかわらずこれだけ集まって、感謝の気持ちしかないです」と笑顔を見せずに喜びを口にする。

 田中は「これが日本ラグビーの始まり。これからの日本ラグビーよろしくお願いします」と顔をくしゃくしゃにして訴える。ファンへの感謝を伝えたパレード。そして今後は「ONE TEAM」継続発展をテーマに、ファンとともに歩んでいく。

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