羽生結弦 挑む史上最大の逆転劇 過去最高は5・64点差、直近8大会は逃げ切りV

フリーの滑走順を決める抽選を終えてネーサン・チェン(手前)を見つめる羽生結弦=イタリア・トリノのパラベラ(撮影・堀内翔)
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 「フィギュアスケート・GPファイナル」(5日、トリノ)

 男子ショートプログラム(SP)が行われ、3年ぶり5度目の優勝を目指す羽生結弦(24)=ANA=は、97・43点で2位発進した。首位は今季SP世界最高点をマークしたネーサン・チェン(米国)で、110・38点。12・95点差を追う形となった。

 GPシリーズを勝ち抜いた6人の選手だけが出場できるファイナルの舞台。ハイレベル決戦だけあって、逆転劇は起こりにくい傾向がある。男子シングルでは、現在のスコア方式の採点法となった03年大会からの16大会で逆転勝ちはわずか5大会。すべて2位からのもので、3位以下からの逆転した例はない。最大の得点差は08年大会のSP2位のジェレミー・アボット(米国)が、SP1位の小塚崇彦を逆転した5・64点差だ。直近は8大会連続でSP首位発進の選手がそのまま逃げ切っている。

 羽生自身の最大の逆転劇は、17年ヘルシンキ世界選手権。SP5位で首位ハビエル・フェルナンデス(スペイン)と10・66点差をつけられたが、フリーで当時の世界最高得点をマークし、逆転している。

 今年3月の負傷明けで臨んださいたま世界選手権では、SP3位と出遅れ、首位チェンとの12・53点差でフリーに挑んだが、世界最高得点をマークしたチェンに逃げ切りを許した。得点差は今回とほぼ同じ。今季チェンはフリーでミスが続いているため、フリーのシーズンベストを比較すると、羽生が約16点上回ってはいるが、羽生自身が「あとはもう、自分の演技だけではどうこう決まるもんでもない」と認めるように、厳しい状況なのは間違いない。

 ただ、自分を信じた者にしか奇跡は起こせないことは、数々の修羅場をくぐり抜けてきた男は、誰よりも知っている。「自分が何をすべきか、何ができるのかを考えなきゃいけない」。7日、25歳の誕生日に迎えるフリー。史上初のGPファイナルV5の偉業への道を、全身全霊の演技で切り開く。

 ◆過去10年の優勝者とSP、フリー順位

 09年 エバン・ライサチェク(米国) SP2位、フリー1位

 10年 パトリック・チャン(カナダ) SP2位、フリー1位

 11年 パトリック・チャン(カナダ) SP1位、フリー1位

 12年 高橋大輔 SP1位、フリー3位

 13年 羽生結弦 SP1位、フリー1位

 14年 羽生結弦 SP1位、フリー1位

 15年 羽生結弦 SP1位、フリー1位

 16年 羽生結弦 SP1位、フリー3位

 17年 ネーサン・チェン SP1位、フリー2位

 18年 ネーサン・チェン SP1位、フリー1位

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