元大関・照ノ富士の十両復帰が確実 7戦全勝で幕下優勝、新十両時より「うれしい」

 対馬洋を寄り切りで破り、幕下優勝を決めた照ノ富士は支度部屋前で汗をふく=福岡国際センター(撮影・中田匡峻)
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 「大相撲九州場所・13日目」(22日、福岡国際センター)

 元大関で西幕下10枚目の照ノ富士(27)=伊勢ケ浜=が7戦全勝優勝を果たし、来場所の十両復帰を確実にした。対馬洋(境川)に組み付かれたが、外から抱えて怪力で振って崩した。最後はがっちり組み止めて寄り切る盤石の内容だった。

 「新十両が決まった時よりうれしい。(今場所)上がることは全く意識してなかった。それが良かった」。大関から落ち、丸2年、どん底からはい上がった喜びをかみしめた。

 大関を14場所務め、優勝も経験しながら両膝負傷に加え、糖尿病なども重なり、序二段まで降下。春場所で5場所ぶりに土俵に戻った。今場所が復帰5場所目で幕下10枚目と、再十両が視野に入る番付まで回復した。

 「1回どん底に落ちてた。その分、地道にやった。そのころに比べたら順調に良くなった。これからもうちょっとよくなる」。体の状態が良化し、トレーニング漬け。筋肉が目に見えて張り、自慢の怪力も戻った。

 元大関が序二段まで落ち、相撲を取ることなど初めて。批判の声もあったし、「辞めたい」という思いもあった。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)から「もう1回やるんだ」と励まされ、稽古を続けた。「稽古場で一緒やってきた力士、落ちても応援してくれる人もいた。もう1回頑張ろうと思えた」と、うなずいた。

 テレビで相撲中継はしばらく見られなかった。「見ると気持ちが燃える。焦ることになる」と治療にのみ専念。ようやく今年になって相撲を見ると「知らない人も多くなっていた」と“勢力図”は激変していた。

 十両は通過点。「(土俵に)上がっている以上、もう1回、どこまで通用するか試したい。1年くらい今の感じでやればもう少しいける。30歳を超えて強くなる人もいる」と27歳が再進撃する。

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