川井梨紗子 五輪切符…初57キロ級国際大会でメダル確定 伊調との代表争いで成長

 「レスリング・世界選手権兼東京五輪予選」(18日、ヌルスルタン)

 女子57キロ級でリオデジャネイロ五輪金の川井梨紗子(24)=ジャパンビバレッジ=が19日の決勝に進出し、五輪代表に内定した。五輪4連覇の伊調馨(35)=ALSOK=が同階級で東京五輪に出場する可能性が消えた。同76キロ級の皆川博恵(32)=クリナップ=も初の五輪切符を獲得。53キロ級で五輪代表に決まった向田真優(22)=至学館大=は決勝でアジア選手権覇者のパク・ヨンミ(北朝鮮)にテクニカルフォール負けし、銀メダルに終わった。

 世界トップレベルの国内代表争いを乗り越え、負けるわけにはいかなかった。川井梨は念願の五輪切符まで手堅く勝ち上がった。4試合目の準決勝で初失点したが逆転。右の拳を強く握り、少し表情を緩めた。「本当に今、やりきろうという気持ちが一番強かった」。目の前の闘いに集中し、実力通りの結果を手に入れた。

 57キロ級の国際大会は初めてで「ほとんどがやったことがない」相手。試合前には世界選手権出場経験がある母の初江さん手作りのおにぎりを食べ、手足の長い準決勝の相手の映像を、初江さんや62キロ級で五輪を目指す妹、友香子(至学館大)と分析した。足を取られて先制されたが後半は修正し、タックルからねじ伏せて逆転。家族の結束が力になった。

 伊調との世界選手権代表争いは「これまでで一番きつかった」。伊調の五輪5連覇を期待する声も耳に入った。重圧で自らを見失い、昨年12月は敗戦。年明けに初江さんから「逃げ出したいのも分かる。親として見るのはつらいけど頑張ってほしい」と励まされ、その後は伊調を気迫で上回った。

 競技人生で最大の目標という東京五輪代表の座を、ついにつかみ取った。「(五輪へ)弾みになるような決勝にしたい。(祝福は)明日までにとっておいてくれたら」。女王の自負を漂わせ、まずは19日、リオデジャネイロ五輪から一度も譲っていない世界一の称号を取りに行く。

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