ボクシング・高山が敗戦「納得している」東京五輪への道途絶えて引退表明

時折笑顔を見せながら取材に応じる高山勝成(左は中出博啓トレーナー、右は代理人の岡筋泰之氏)=岐阜工
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 「ボクシング・全日本選手権東海地区選考会」(31日、岐阜工高)

 プロの元ミニマム級4団体制覇王者で来年の東京五輪出場を狙っていた高山勝成(36)=名古屋産大=が全日本選手権の東海地区選考会のフライ級に出場。初戦で日大3年の宇津輝(21)=三重=と対戦し、28-29の0-3判定で敗れて、東京五輪への道が断たれた。

 課題としていた立ち上がりに、サウスポーの宇津から左カウンターをクリーンヒットされた高山は、2回の中盤までペースをつかみきれなかった。3回はスタミナと手数で怒とうのラッシュを見せ、ポイントを取ったが、1、2回の劣勢を挽回することはできなかった。

 試合後、開口一番「やられたな」と言った高山は、「最終ラウンドだけではダメ。(勝ったという)手応えはなかった。コンディションはよかったが、相手の方が対策を練っていたと思う。自分では納得している」と敗戦を受け入れた。

 12ラウンドの世界戦を戦ってきたプロからの転向で、もっとも苦心したのが3ラウンドの最初にペースをつかむ状況判断だった。中出博啓トレーナーは「3分3ラウンドの戦いに敗れた」と分析したが、高山も「特に今日はそこ(課題)が出てしまった。巻き返すのが難しかった」と振り返った。

 今後については「自分はこれ(東京五輪)を目指して今日まで突っ走ってきた。選手としては引き際」とし「ここで一区切りする」と現役引退を表明。五輪を目指した2年余りの戦いを振り返り「後悔はない」と笑顔も見せた。また「アマで3戦戦ってくれた相手に感謝したい」と言い、「署名運動や支援してくれた方々、ありがとうございました」と頭を下げた。今後は在籍する名古屋産大の大学生としてもう一つの夢である教師を目指す。

 高山は五輪を目標にアマチュアへの転向を目指し、2017年にプロ引退届を提出。日本連盟の体制が変わった昨秋にアマ登録が認められた。7月の全日本選手権の愛知県地区選考会でアマデビューし、優勝して東海地区に駒を進めた。東京五輪代表になるには全日本選手権で優勝することが前提となっており、負けられない戦いに挑んでいた。

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