「大相撲名古屋場所・１１日目」（１７日、ドルフィンズアリーナ）

　大関高安（２９）＝田子ノ浦＝が１１日目の１７日、休場した。８日目の玉鷲（片男波）戦で左肘を負傷。１０日目、明生（立浪）に８勝目（２敗）を挙げて勝ち越しを決め、来場所のカド番は免れた。高安の休場は昨年夏場所以来５度目。１１日目は１敗の横綱白鵬（宮城野）戦と好取組が期待されたが、白鵬の不戦勝となった。

　今場所は貴景勝（千賀ノ浦）が初日から休場、栃ノ心（春日野）、豪栄道（境川）の途中休場に続き大関陣が全滅。４大関の休場は昭和以降初となった。

　師匠の田子ノ浦親方（元幕内隆の鶴）は「痛めた時に何とか取れると話したけど、昨日、土俵下で痛がっていた。そういうタイプじゃないけど。残念ですが来場所を考えて決めた。昨日話して昨日の段階で動かしたら痛みがあった。力が入らないということ。体も動いていたし調子が上がったところで、ファンのことを考えても大変残念」と無念の思いを代弁した。

　体調不良の阿武松親方（元関脇益荒雄）に代わり、審判部長代理を務める境川親方（元小結両国）は「本当に申し訳ない」と自身の弟子の豪栄道も休場とあり何度も謝罪。弟子の妙義龍が２敗で優勝争いに食い込んでおり、今後は上位戦を組む可能性もある。

　名古屋場所責任者の出羽海部長（元幕内小城乃花）は「大関がいなくなって残念。ケガばかりは仕方がない。優勝争いしていた本人が一番悔しいでしょう。（白鵬戦は）お客さんも楽しみにしていたでしょうから」と、話した。