伊調馨 リオ五輪以来の世界切符に王手 川井梨紗子と対決「格上とやるつもりで」

 南條早映(後方)に勝利した伊調馨
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 「レスリング・全日本選抜選手権」(15日、駒沢体育館)

 世界選手権(9月・カザフスタン)の代表選考会を兼ねて行われ、女子57キロ級で、前人未踏の五輪5連覇を狙う伊調馨(35)=ALSOK=が苦戦続きながらも決勝進出を決め、16年リオデジャネイロ五輪以来となる世界大会切符に“王手”をかけた。16日の決勝ではリオ五輪63キロ級女王の川井梨紗子(24)=ジャパンビバレッジ=と戦う。伊調が優勝すれば、世界代表に内定。川井が勝てば、7月6日のプレーオフ(埼玉)で雌雄を決する。女子62キロ級では川井の妹・友香子(21)=至学館大=が優勝し、代表に内定した。

 かつてのような全てをねじ伏せる強さはない。それでも、“薄氷”を最後まで割らせないのが、伊調の強さだった。

 1次リーグ2戦目の坂上嘉津季とのALSOK対決では、1-3とリードされた残り50秒でタックルを決めて同点に追いつくと、相手の負傷もあり、そのまま逆転フォール勝ち。準決勝では16歳年下の南條早映とひりつくような接戦を演じた。1-1からテークダウンを奪われ、1-3となったが、すぐさま返し技で同点に。高得点の技の数、警告の数でも並んだため、最後はラストポイント(最後に点を取った選手)でしのぎ切り、世界切符に王手をかけた。

 ただ、苦戦もあくまで想定内。13日で35歳になった。「57キロ級は接戦。誰とやっても大差はない」。今の自分の立ち位置を冷静に見つめ、サバサバと振り返った。減量も簡単にはいかない。準決勝後は16日の当日計量に向け、すぐにウエアを着込んで、約1時間半もスパーリングなどで汗を流した。

 決勝では最大の難敵・川井梨と相まみえる。昨年12月の全日本選手権では、決勝で伊調が残り10秒から逆転優勝しているが、1次リーグでは敗れており1勝1敗だった。世界選手権代表となり、メダルを獲得すれば東京五輪代表に決まるだけに、事実上の“五輪代表決定戦”となる可能性がある大一番。「今の自分は挑戦者。世界王者でも、アジア王者でもない。格上とやるつもりでいく。あとは自分が勇気をもって攻められるか」。今の自分に肩書はない。ただ、ガムシャラに、目の前にある1枚の切符を奪いにいく。

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