貴景勝 休場ピンチ 天敵・御嶽海を退け3勝目も…右膝負傷の代償

 「大相撲夏場所・4日目」(15日、両国国技館)

 新大関貴景勝が痛すぎる3勝目(1敗)だ。5連敗中だった天敵、小結御嶽海をもろ差しから寄り切りって突破した。突き押し1本のサムライ大関にとって昨年名古屋場所千秋楽の朝乃山戦以来、プロではわずか3度目の寄り切り勝利。進化を見せた一方で右膝を負傷する大きな代償を払うことになった。足を引きずり国技館を後にし、状態次第では一転、休場ピンチに陥る。横綱鶴竜、関脇栃ノ心、平幕朝乃山の3人が全勝でトップに並ぶ。

 もろ差しで完璧に寄り切った瞬間、貴景勝に異変が起きた。右膝を押さえ、顔をしかめた。右脚を引きずって勝ち名乗り。力水を付ける前も土俵に手を付き痛みをこらえた。

 支度部屋に戻ると右膝内側をアイシングし続けた。「大丈夫。大丈夫っす」と強がり、立ち合いで滑った時に痛めたかと問われると「痛めていないです」と声を荒らげた。それでも「ふー、ふー」と大きく息をし、痛みは相当な様子。地下駐車場までの帰路も右脚をひきずり、階段も一歩ずつ慎重に下りた。

 大きな代償を支払うことになった3勝目だった。5連敗中だった御嶽海相手に立ち合い、押し込むと左を差し込み、右ハズに組んだ。耐える相手を下から起こして攻め切った。

 幼少期より磨き続けた突き押し一本で番付を駆け上がった。基本は突き押しながら、場所前は進化を目指し、もろ差しで寄る形も稽古した。その成果が天敵相手にさく裂した。

 相撲界で最も多い「寄り切り」。これがプロ入り後216勝目ながらその決まり手がたった3度目というのだから、いかに押しに特化した力士かが分かる。過去2回は「すくい投げからの流れ。ちゃんと寄り切ったのは初めて」と、まさに新境地となる白星だった。

 前日、大関初黒星を喫し絶対に負けられなかった。「2連敗すると3連敗する。こけちゃいけないと思った。勝つことが何より」。ド根性の白星は、しかし、痛すぎた。

 患部の状態次第では一転、休場ピンチとなる。新大関場所で休場となれば、いきなり来場所、かど番。新元号「令和」の星として人気を一身に受けてきた22歳に大きな試練だ。

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