張本智和、五輪前年に世界の壁「特別緊張しすぎた」世界1、2位も姿消す波乱

男子シングルス4回戦で敗れ、うなだれる張本智和=ブダペスト(共同)
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 「卓球・世界選手権」(25日、ブダペスト)

 男子シングルス4回戦で、世界ランク4位の張本智和(15)=木下グループ=が、同157位の安宰賢(韓国)に2-4で敗れた。第3シードで臨んだ東京五輪前年の大一番は、史上最年少で8強入りした前回大会を下回る16強で終戦。「(五輪まで)あと1年半もない中でメダルを獲って自信をつけたかったが、五輪に出てこないような選手に負けたのは残念です」と、ふがいなさに涙した。

 日本勢40年ぶりのメダルを期待された張本だったが、16年世界ジュニア選手権以来の対戦となったジュニア時代のライバルにまさかの苦杯を喫した。ランクだけを見れば大番狂わせだが、過去の対戦成績は1勝4敗。「2年前の僕のようにアグレッシブに来ると思うので、そこをしっかり受け止めて自分が攻める気持ちを忘れずに戦いたい」と警戒していた難敵相手に、いざ試合が始まると懸念した通りの展開となってしまった。

 チキータ(攻撃的なバックハンドレシーブ)を中心とした自身の攻撃パターンも読まれて単調となった。逆に恐れ知らずの相手はキレキレでスーパープレーを連発。韓国の19歳に足をすくわれ、「実力が足りなかった。相手に対策されて負けたというより(自身の)凡ミスが多かったり、思い切って攻めることができなかった」と肩を落とした。

 これまで数々のタイトルを手にしてきた天才少年だが、世界選手権の難しさに直面した。第3シードで準決勝までは中国選手と当たらない組み合わせに入り、日本勢40年ぶりのメダルを有力視されたが、各国代表の本気度も他の大会とは段違い。世界ランク4位の張本以外にも、1位の樊振東(中国)、2位の許シン(中国)らが既に姿を消すという波乱の展開となっている。

 周囲の期待値も2年前とは段違いで、日本メディアはもちろん、国際卓球連盟(ITTF)や中国をはじめとした海外メディアからも連日取材を受けるなど大会屈指の注目選手の1人だった。

 特別な重圧はなかったというが、この日の試合を振り返り、「今日は特別緊張しすぎてしまって、普段は1ゲーム目が終わるとあまり緊張しないけど、今日は(試合の)最後まで嫌な感じがあった」。一度悪い流れになると自力では断ち切れなかった。

 大会前に痛めた右手薬指の影響については「試合では痛みがなかった」と否定したが、直前の準備期間に1週間練習できなかったのは痛恨だった。今大会で真価を証明することはできなかったが、東京五輪では日本のエースとして一本立ちすることが求められる。今回の涙を糧にして、さらに強くなるしかない。

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