“逆転の紀平”を返上だ!! SPから「ノーミス」演技で真央超える

 「フィギュアスケート・世界選手権」(20日開幕、さいたまスーパーアリーナ)

 公式練習が18日、本番会場で行われ、女子で今季国際大会6戦無敗の紀平梨花(16)=関大KFSC、全日本女王の坂本花織(18)=シスメックス、宮原知子(20)=関大=らが参加した。初出場初優勝を目指す紀平は、トリプルアクセルを計15本着氷するなど上々の仕上がり。女子ショートプログラム(SP)は20日、男子SPは21日に行われる。

 世界女王の座を争う勝負の銀盤に立っても気負いはなかった。紀平は「SP、フリー(の両方)で完璧な演技をすれば、優勝も見えてくると思う」と力強く宣言。「ノーミスの演技をそろえることだけを考えたい」とシニア1年目での戴冠を誓った。

 午前中は本番リンク、午後はサブリンクで行われた公式練習では、計15本のトリプルアクセルを着氷。仕上がりは上々だ。

 勝負の鍵はSPが握る。今季国内外8戦を戦い、SPは世界歴代最高得点を記録した昨年12月のGPファイナル以外、完璧な演技はできていない。トリプルアクセル2本の導入が可能な得意のフリーで巻き返し“逆転の紀平”の名を欲しいままにしてはきたが、世界選手権で出遅れは避けたいところだろう。紀平も「SPでまず全てのジャンプを跳ぶことが大事」と、スタートダッシュの重要性は認識している。

 世界選手権優勝となれば日本女子6人目。初出場初優勝は日本勢初だ。16歳での優勝は、17歳で初制覇した浅田真央を抜いて日本勢最年少での戴冠となる。「今できることをしっかりやる。完璧な演技を目指したいというだけ」と話すその表情は充実そのもの。2月の四大陸選手権、3月のチャレンジ杯に加え、米国での合宿も挟むハードな毎日を過ごしてきたが「疲労もプレッシャーも特に感じていない」と自然体だ。

 「日本で滑れるのはすごくうれしいので、いい演技が出来たら」。生まれ育ったこの地で、日本スケート界に新たな歴史を刻む。

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