魅せる!大人の阿部詩 涙の高校卒業…東京五輪へ誓い新た

高校の卒業式に出席し、クラスメートと記念撮影をする阿部詩(中央)
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 柔道女子52キロ級で18年世界選手権金メダルの阿部詩(18)が2日、神戸市の夙川学院高の卒業式に出席した。中学から6年間通った学校や仲間との別れに感極まって涙する場面もあった。4月からは兄一二三(21)と同じ日体大に進学するが、「大学でもっと強くなり、大人になった阿部詩を見せて活躍したい」とさらなる成長を誓った。

 「絶対泣かないと決めていた」という阿部の涙腺が決壊したのは、柔道部の松本純一郎監督をはじめ、先生たちが卒業生に向けて合唱曲「旅立ちの日に」を歌った卒業式終盤のことだった。

 「(中学から)6年間通ったので、なんかすごく寂しいなと。昔からの思い出がよみがえり自分の中でいろいろ込み上げてきて…」

 世界一への階段を“数段飛ばし”で駆け上がってきたような高校時代。「普段みんなとワイワイ過ごしたことが一番の思い出」というように、その傍らには、常にかけがえのない仲間と過ごした日常があった。柔道場はもちろん、スポーツ科のクラスでも毎日顔を合わせ、体育祭、修学旅行も全力で楽しんだ。

 担任の内橋静先生から「一番強い人をリーダーにする」と指名されたクラス会長は3年間一度もかえられないまま全うし、1年の時に「柔道だけじゃアカン。勉強も大事」と聞いてからは、教室の一番前の席を指定席に授業に臨み続けた。内橋先生は「人から聞いたことは何でも取り入れる」と阿部の吸収力に脱帽した。

 仲間や恩師、そして生まれ育った神戸の町にも別れを告げる。「帰ってきて一番落ち着く場所だったので離れる寂しさはあるが、変化とともに成長がある」と阿部。「若さと勢いで頑張ってきた部分があるので、大学でもっと強くなって大人になった阿部詩を見せて活躍したい」。別れの寂しさや新生活への不安を胸の奥にしまいながら、真の世界王者になるための新たな一歩を踏み出す。

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