白鵬“感謝星”締め 9年前に異例の書簡、大恩ある天皇陛下に捧げた

 「大相撲初場所・8日目」(20日、両国国技館)

 平成最後となる天覧相撲の結びの一番で横綱白鵬が平幕碧山を下手出し投げで下して唯一の初日から8連勝とし、単独トップを守った。中日勝ち越しは46回目で自身の持つ最多記録を更新した。9年前に天皇陛下からねぎらいの書簡を受け取ったことに感謝を忘れない。天覧相撲は横綱昇進後6戦全勝。史上最多41度優勝し誰より天皇賜杯を抱いた平成の最強横綱は4月で退位する天皇、皇后両陛下が見守る最後の土俵を豪快に締めた。1敗で魁聖、矢後、千代の国の平幕3人が追う。

 花道を引き揚げる際、白鵬は両陛下のお姿が目に入った。「ちょうど見えました。寂しい気持ちがあった。平成に育ててもらいましたから」。平成最後となった天覧相撲に胸が詰まった。

 「いつも通りという気持ちで上がった」と特別な思いを必死に押さえた。碧山と突き合いに一歩も引かず応戦。組み止めると下手で振って体を入れ替えて出し投げ。198キロ巨漢を豪快に転がした。力と技を見せつける横綱相撲。両陛下も拍手して満面笑みだった。

 天覧相撲は横綱では負けなし6連勝。八角理事長からは「横綱で10年、長いですね」と陛下が感服していたことを明かされた。

 白鵬は「何か縁があるのかな」とかみしめた。忘れもしない。10年7月の名古屋場所で優勝後、天皇陛下から異例の書簡を受け取った。同場所は賭博問題で天皇賜杯を抱けず白鵬は涙した。

 同8月3日の会見では「陛下はねぎらいとお祝いの言葉を伝え今後も元気に相撲を取るよう願っている」との趣旨が伝えられた。書簡内容を宮内庁は「『国技』への陛下の思いは変わらない。一生懸命相撲を取っている力士を応援しているメッセージ」と説明した。

 原本は協会に保管され白鵬はコピーを受け取った。自宅に大切に保管され「何度も見ている」と心の支えにもしてきた。「9年前にいただいた手紙を思い出す。あの手紙があるから頑張れる。賜杯がなかった、その思いが本当に伝わった。本当にうれしかった」。

 以前、園遊会でお会いしたことがある。「また会ってその話を振り返ってみたい」と願った。全勝ターンで単独トップを守った。平成の最強横綱。大恩ある陛下が見守った最後の場所で42度目の優勝は譲れない。

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