豊ノ島、安美錦との75歳対決を制す「まだ何回も対戦できるように」

 「大相撲初場所・7日目」(19日、両国国技館)

 元関脇で十両の豊ノ島(35)=時津風=が安美錦(40)=伊勢ケ浜=との75歳対決を制し、4勝目(3敗)を挙げた。幕内戦績は21勝19敗で3年4カ月ぶり対戦。相手の変化も「頭の片隅にあった」と冷静だった。

 上手取られて投げを打たれたが左差しで出た。土俵際の巧者に注意し、盤石に土俵外に運んだ。

 16年に左アキレス腱断裂し幕下まで落ちた。毎場所、引退と隣り合わせで戦い続け、先場所、2年ぶりに十両に復帰。今場所は西十両5枚目に番付を戻した。

 アキレス腱、膝、太ももなど両足は故障だらけの安美錦が40歳になっても奮闘するのは何よりの発奮材料になっていた。「ケガしてすぐの頃は比較していた。安美関が頑張っているからと思っていた。でも自分はできなかった」と苦しんだ。

 しかし、安美錦から「俺とお前は違う。一緒にするな」と、突き放されたことがきっかけになった。「考え方を変えた。自分は自分。置かれている立場も違う」と気付き、そこから再起を歩めた。

 いつもは館内の声援は自身に向けられるが、この日は「安美錦~」が多く、いつもとは違った。一つの目標だった特別な対戦。「励みになり戻ってこれた」とかみしめた。

 ただ互いに、十両で満足はしない。「まだ何回も対戦できるように。安美関も十両で満足するような人じゃない。幕内でできるように頑張りたい」と、上を見据えた。

 幕内最多対戦は元稀勢の里(現荒磯親方)と琴奨菊の66回。追い付くにはあと26回。「それくらいの気持ちでいく。5年くらい?シニア相撲でやるよ」と、冗舌だった。

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