高橋大輔、復活2位発進 5年ぶり出場で復帰後自己ベスト フリーで4回転挑戦へ

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(22日、東和薬品ラクタブドーム)

 男子ショートプログラム(SP)で、今季5年ぶりに現役復帰した高橋大輔(32)=関大KFSC=が復帰後の自己ベストとなる88・52点をマークし、2位につけた。3連覇が懸かる宇野昌磨(21)=トヨタ自動車=は102・06点で貫禄の首位発進。島田高志郎(17)=木下グループ=が3位、昨年2位の田中刑事(24)=倉敷芸術科学大大学院=は4位だった。昨季の世界選手権5位の友野一希(20)=同大=は7位と出遅れた。代表は男女各3人。23日に女子フリー、24日に男子フリーを実施する。

 ようやくたどり着いた場所で、こみ上げる思いが高橋の心を揺り動かした。「この場所が気持ちいい。できれば長くやっていたいと思う」。自分の前で滑った宇野は鬼気迫る表情を見せていた。勝負にこだわらないはずだった現役復帰。しかし「近畿、西日本と緊張感が高くなったから心地いいのかな。世界にいけば一層心地いいのかな」。1シーズンを区切りにしたはずの再起ロードの視界は、世界へと広がった。

 平昌五輪代表の田中刑事や昨季世界選手権5位の友野一希らに転倒が相次いだSP。全日本特有の緊張感の中、ジャンプは貫禄のノーミス。SP曲「ザ・シェルタリング・スカイ」のもの悲しい音色に見る者を引き込む感情表現は健在だった。復帰後の自己ベストとなる88・52点をマークし、待ちわびたファンから大歓声を浴びた。

 7月の現役復帰の会見で掲げた「全日本フリーの最終グループ」という夢は達成。4回転トーループをフリーで「気持ちとしてはやりたい」と言うのは、「100%の演技をしないと表彰台は見えない」という理由だ。2位に入れば、3月の世界選手権(埼玉)の代表に選出される可能性は高くなり、6年ぶりの世界の大舞台に戻ることもある。

 五輪の表彰台、10年世界選手権、12年GPファイナルのタイトルと日本男子初の快挙を次々成し遂げてきた。「やっぱり高橋大輔って、レジェンドって言われるだけのことはあるなと思ってもらえたら」。自らそう言い「すいません」と恐縮した。その謙虚さで愛されてきた32歳が、新たな伝説をつくる。

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