フジカキペア万感 タカマツペアに敗れて終戦「最後にやれて幸せ」

最後の全日本総合選手権で高橋、松友組に敗れた藤井瑞希(左)と垣岩令佳
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 「バドミントン・全日本総合選手権」(29日、駒沢体育館)

 女子ダブルス2回戦が行われ、今季限りで現役を引退する12年ロンドン五輪銀メダルの藤井瑞希(30)、垣岩令佳(29)組(再春館製薬所)は、16年リオデジャネイロ五輪金メダルの高橋礼華(28)、松友美佐紀(26)組(日本ユニシス)に19-21、19-21で敗れた。

 個人戦としてはラストマッチの藤井、垣岩ペアは、長年競い合ってきた高橋、松友ペアと接戦を演じながら最後は惜敗した。5年ぶりの対戦を終えると、両ペアは涙を浮かべながら抱擁。「お疲れさまでした」(高橋、松友)「これからも頑張ってね」(藤井、垣岩)と言葉を交わした。観客席からは温かな拍手が送られた。

 不思議な巡り合わせだった。10月に藤井、垣岩組が日本ユニシスの練習に赴いたときに会話した際、藤井が「自分たちが(予選を勝って)本戦までいけば高橋、松友ペアと当たる気がする」と話し、高橋も同じことを思ったという。そして“予言”通り、予選を勝ち上がり本戦も1回戦を突破したことで念願の“引退試合”が実現した。

 藤井は「(高橋と)2人で話していたから引き寄せたかもしれないけど、予選から負けそうになったけど勝ったからこそ対戦できた。本当に悔いはないです。最後に高橋、松友に負けて終われてうれしかった」と万感の表情。垣岩も「ずっと競い合ってきた高橋、松友ペアと最後にやれて幸せだった」と涙を浮かべた。

 かつてのライバルである高橋、松友ペアについて、藤井は「私たちが日本代表にいる頃から実力はあるのに、ロンドン五輪(代表)レースを回れなかったり下積みが長い中で(頑張って)金メダルも獲って、その後も(現役を)退かずに試合に出続けて引っ張っていってくれているから、日本の女子ダブルスが強くなっていると思う」とたたえた。「2人が悔いなく最後終われるように、これからも頑張ってほしい」とエールを送った。

 功労者に引導を渡した高橋は「フジカキペアがいなければ、自分たちはここまで強くなれていない。ロンドン五輪で先輩たちが銀メダルを獲ってくれて、次は自分たちが金メダルを獲りたいと思わせてくれた。五輪メダリスト対決はなかなかないこと。今日は自分たちも幸せな試合だった」と涙を浮かべながら話した。

 松友も「自分たちが最初に日本代表に入ったときは(藤井、垣岩組に)全く歯が立たなくて、練習相手にもならないくらい差があった。いつかは抜きたいという反骨心でやってきた。代表で一緒に大会に回ったり、いろいろ教えてもらったり、試合もたくさんした。ずっと戦ってきたので引退は寂しいが、長い間日本のバドミントン界を引っ張ってくれた先輩と(最後に)試合できるとは思わなかった。本当に幸せ」と感慨深げに振り返った。

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