稀勢の里、悪夢4連敗…八角理事長、立て直しは「本人にしか分からない」

 4敗目となり、うつろな表情で記者に囲まれる稀勢の里
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 「大相撲九州場所・4日目」(14日、福岡国際センター)

 一人横綱の稀勢の里は、行司軍配差し違えの末、平幕栃煌山に敗れ、初日から4連敗を喫した。気迫の出場に打って出たものの、すくい投げに屈し、勝ち運もスルリ。横綱の初日から4連敗(不戦敗を除く)は11日制だった1931年春(1月)場所の宮城山以来87年ぶりの屈辱。金星配給は自身3度目となる3日連続で計16個目となった。10度目の途中休場を決断する時は迫り、引退危機が再燃する。

 稀勢の里が行司軍配差し違えの末、栃煌山にすくい投げで逆転負けした一番を、関係者はどう見たのか。八角理事長(元横綱北勝海)は「稀勢の里は開き直って前に出たけどね。(どう立て直すかは)本人にしか分からない。栃煌山は下がったらいつもは力が出ないけれど、相手の調子が悪いと分かっていたら何とか残そうとするものだ」と分析した。

 阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は、土俵下で行司軍配差し違えを判定。微妙な一番について「(横綱の)肩が早いという結論です。ビデオ室と審判の判断。(横綱は)気力は十分。九分九厘、勝っている。でも、そこからが相撲。今場所の栃煌山は違いますから。一番一番しのいでいくしかないんじゃないですか」との見通しを示した。

 また、稀勢の里の兄弟子にあたる西岩親方(元関脇若の里)も稀勢の里について言及。「うまくいっていない感じがする。一つ勝てば元通りの稀勢の里になる。初日に負けたのが大きい。横綱とはいえ切り替えは難しい。ずっと一緒にやってきた兄弟弟子なので頑張って欲しい」と、5日目からの巻き返しを期待してエールを送った。

 稀勢の里の4連敗を受け、福岡県大野城市の田子ノ浦部屋の前には約40人の報道陣が集まった。午後8時20分に田子ノ浦親方が、同31分には稀勢の里が戻ってきたものの、ともに無言。建物の中で関係者が食事をする様子もうかがえたが、2人が入るとシャッターが閉じられ、内部の明かりは漏れなくなってしまった。

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