空手・篠原浩人“なおみパワー”で決勝へ 葬儀屋で働きながら現役続けた苦労人

 「空手・プレミアリーグ東京」(12日、東京武道館)

 東京五輪の新種目となる空手で、世界7都市で行われるプレミアリーグの最終戦・東京大会が12日、東京武道館で開幕した。男子67キロ級は、世界ランク7位の篠原浩人(29)=マルホウ=が同3位のハンガリー選手を撃破し決勝進出。世界女王の清水希容(24)=ミキハウス=は全試合5-0の完勝で決勝に駒を進めた。

 苦労人の篠原が決勝進出だ。準決勝で世界ランク3位の強豪相手に勝利。「集中してできた。でもめっちゃ痛い」と蹴られた左脇腹を押さえながら勝利の喜びをかみしめた。

 8月のアジア大会では日本がメダルラッシュの中、2回戦敗退。「どん底」まで落ちた。恩師の助言もあり原点回帰。練習拠点を母校の大阪・浪速高に定めた。強くなるために始めた初動負荷やメンタルのトレーニングも一度やめ、腰を据えて空手と向き合った。

 9月のプレミアリーグドイツ大会では3位。浮上のきっかけは、女子テニスの大坂なおみだ。都内の駅で受け取った全米オープン優勝の号外。「自分より10個も下やのに、頑張ってるなぁ」と感銘を受け、そのままドイツへと持っていった。ホテルの部屋に貼り、見る度に気合を入れた。

 近大卒業後、一時は葬儀屋で働きながら競技を続け、所属先も自ら探した。知人から「いつまで人殴ってるん?」と冗談交じりに言われたこともあったが、五輪種目に決定後はそれが応援に変わった。「持ち味の間合いの駆け引きを使って勝負したい」。全力で金メダルを取りにいく。

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